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わたしが“サラダの取り分け”を禁止にした理由

ライターのはましゃかさんが「サラダ取り分け禁止委員会」を発足させたことが話題に。「サラダを取り分ける=女子力」の固定観念に違和感を感じての行動で、SNS上では賛否両論が巻き起こっています。本人に取材しました。

「サラダ取り分け禁止委員会」ステッカービジュアル

 SNS上で先日「サラダの取り分け」に関する議論が巻き起こりました。きっかけとなったのは、ライターのはましゃかさんによる「サラダ取り分け禁止委員会を発足します!」というコラム記事。飲み会でサラダを取り分けた時、または取り分けてくれる人を見た時、男女問わず投げかけられる「女子力高~い!」という言葉に違和感を覚え「サラダ取り分け禁止」のルールを提唱し、飲み会で実践した結果などを報告しています。SNS上では「取り分け文化ほんとにいらない」「会社の飲み会が苦手な理由がこれ」という賛成派、「取り分けることで場や関係がスムーズになることも」「早く皿を空けて下げてほしいから取り分けます」という否定派と賛否両論あるようです。

 サラダ取り分け文化の是非や、記事に対するさまざまな意見について「サラダ取り分け禁止委員会」を発足させた本人はどのように考えているのでしょうか。はましゃかさんに聞いてみました。

「取り分けない」という選択肢に気付いてほしい

Q.サラダ取り分け禁止委員会を発足させた理由について教えてください。

はましゃかさん「年齢も性別もバラバラの食事会に参加した時、席での『女子力』を求められている感覚が何度かあったことがきっかけです。特に、サラダを取り分ける行為が象徴的だなと感じました。『女性としての役割』を求められる状況に違和感を感じて、取り分けるのをやめてみたのです。しかし、一人で目の前の大皿を無視しても無愛想な人になるだけでした。理由を言わないと何も伝わらなかったのです。そこで、取り分けない理由を知ってほしいという気持ちと、『取り分けない』という選択肢に多くの人が気軽に参加できるようになってほしいという気持ちから、あえて名前をつけてみました」

Q.委員会に対して、現在までにどんな反応が寄せられていますか。

はましゃかさん「ありがたいことに賛同してくださる方が多いです。食事会で女性がお酌(おしゃく)や配膳をする風習が残っていることに異議を唱える声や、好き嫌いもあるのでやめてほしいという声がある一方で、食事会をスムーズに進めるために取り分けが必要だという意見もありました」

Q.サラダを小皿に取り分けることで、相手が喜んでくれたり、その場が和んだりするなどのメリットがあるとは考えられませんか。

はましゃかさん「もちろん、コミュニケーションとしてのメリットはあると思います。たとえば、デートなどでお互いに取り分け合うことなどは楽しいと思います。ただし『取り分けなくていいんだ』と女性たちの意識が変わるだけで、大人数でサラダが運ばれて来た時の『出た…誰が取り分けを披露する…?』という嫌な緊張感がなくなり、特に同性間では和むのかなと思います。取り分けは女子力ではないので」

Q.もしも、あらたまった場や目上の人との食事の場で大皿のサラダが自分の前に来た場合、どのように振る舞うのがベストだとお考えですか。

はましゃかさん「その場合は『女性だから』ではなく、『部下』『後輩』としての立場を優先するのがベストだと思います。実際に私は、目上の男性を前にして意地でも取り分けなかったことがありますが、その際『もう少し気遣いができるといいね』と言われてしまった経験があります。これからは『お先に失礼します』と自分の分をよそってから『お野菜お好きですか』と伺いながらトングを返して渡そうかなと思います」

Q.もしも、誰かにサラダを取り分けてもらったらどう応じるべきでしょうか。

はましゃかさん「心から『ありがとう』と感謝すること。そして何より気をつけなければならないのは、決して『女子力が高いね』という褒め方をしないことです。男性に対して冗談で言うのも、『本来は女子がやるものなのに』と言っているように感じられるのでNGだと思います」

Q.委員会の活動を通して世の中にどんなことを訴えていきたいですか。

はましゃかさん「飲み会は社会の縮図のようです。サラダの取り分けには女性の炊事役割問題、上司や先輩からの飲食強要にはパワハラ問題、男性が女性におごる文化には性別間賃金格差問題と、何気ないグラス一杯や小皿一つにも社会問題が山ほど詰まっています。そこに悪気はなく、暗黙のルールが考えなしに新参者に伝承されています。サラダという小さなきっかけから、飲み会の風習について少しでも問題意識を持つ人が増えてほしいと思っています。誰かと食事やお酒を共にするのは楽しいものです。誰もが性別にこだわることなく、お酒や食事を楽しめたらいいなと願うばかりです」

(オトナンサー編集部)