東京は5月中旬、福岡は4月下旬…「暑熱順化前線」とは? 日本気象協会に聞く
日本気象協会が4月、「暑熱順化前線」というものを発表しました。どのようなものなのでしょうか。協会に聞きました。

今年の夏は猛暑との予想もあり、「熱中症」への備えが例年以上に大切と思われます。そんな中、熱中症対策を呼び掛ける「熱中症ゼロへ」プロジェクトを展開している日本気象協会(東京都豊島区)が、「暑熱順化前線」というものを4月に発表しました。
熱中症対策として、暑さに体を慣らしておこうという「暑熱順化」が注目されていますが、「暑熱順化前線」は、桜前線のように南から北へ進んでいく図で、各地域で暑熱順化をいつごろ始めたらよいか示しているそうです。なぜ作成、発表したのでしょうか。日本気象協会「熱中症ゼロへ」プロジェクトリーダーの曽根美幸さんに聞きました。
「暑くなる前に熱中症対策」分かりやすく
Q.暑熱順化前線を発表した理由と狙いを聞かせてください。
曽根さん「『熱中症ゼロへ』プロジェクトでは、夏だけでなくその前から体を暑さに慣れさせる『暑熱順化』の大切さについて、以前から発信しており、昨年2021年からは『暑熱順化ポイントマニュアル』も公開しています。
今回は、暑熱順化をより身近に、分かりやすくお伝えするため、また、暑くなる前から熱中症対策を呼びかけるため、『熱中症ゼロヘ 暑熱順化前線』を作成し、第1回の発表を行いました。今年、初めて発表しました」
Q.どのようにして前線を作成しているのでしょうか。
曽根さん「暑熱順化前線のアルゴリズムは非公開ですが、前線は気象データのほかに、過去の熱中症に関するデータを使用し、暑熱順化が必要なタイミングを算出・前線図化しています」
Q.暑熱順化のポイントについて、教えてください。
曽根さん「暑熱順化とは、体が暑さに慣れることです。体を暑さに慣れさせる暑熱順化ができると、体の外に熱を逃がしやすくなること、汗からナトリウムを失いにくくなること、体温が上昇しにくくなることなどにより、熱中症になりにくい状態になります。
逆に暑熱順化ができていないと、体の熱をうまく外に逃がすことができず、熱中症になる危険性が高まります。
暑熱順化をするためには、気温が上がって熱中症の危険が高まる前に、無理のない範囲で汗をかくことが大切です。日常生活の中で、週5回30分程度のウオーキング、筋トレやストレッチなどの軽い運動を行ったり、2日に1回程度は湯船に入る入浴を行ったりすることで、適度に汗をかき、体を暑さに慣れさせましょう。
暑熱順化には個人差もありますが、数日から2週間程度かかります。暑くなる前から余裕をもって対策を行ってください」
Q.福岡や高知はすでに暑熱順化前線が過ぎていますが、今からでも遅くないでしょうか。
曽根さん「はい。暑熱順化前線のタイミングはあくまで目安です。熱中症や暑熱順化は個人差も大きいことから、今からでも、できるタイミングで始めてください。普段から体を暑さに慣れさせることが大切です。また、暑さから数日離れると暑熱順化の効果が薄れてしまうことから、この先、梅雨の晴れ間や梅雨明け後にも注意が必要です」
Q.第2回はいつごろ発表の予定でしょうか。
曽根さん「『熱中症ゼロへ 暑熱順化前線』は全2回の予定です。第2回の発表は、予報も見ながら、本格的な暑さを迎える前に、暑熱順化開始の目安となるタイミングで発表します」
(オトナンサー編集部)




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