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図書館で“本を隠す”方法を紹介する記事が批判されライター謝罪、法的な問題は?

図書館で「本を隠す」方法を紹介するウェブの記事に批判が殺到。ライターが謝罪する事態に発展しましたが、本を隠す行為にはどんな法的問題があるのでしょうか。

図書館の本を隠す行為、どんな法的問題がある?

 SNS上で先日、図書室で本を隠す行為が話題となりました。事の発端は、あるライターが執筆した「図書室での本の隠し方」に関するウェブの記事。「小学生の頃、図書室で本を隠した経験があるはずです」とし、「本棚の後ろ側に隠す」「辞書にはさんで隠す」などの方法を実際にやってみる内容でしたが、これについて「れっきとした迷惑行為です」「子どもが真似したらどうするんですか」など多くの批判コメントが殺到し、記事は削除され、ライターが謝罪する騒動へと発展しました。

 この一連の流れを見た人からは「こういう行為って器物損壊罪にならないの?」「もし隠した本が出てこなかったら窃盗だよね」などさまざまな声が上がっていますが、法的にどのような問題があるでしょうか。芝綜合法律事務所の牧野和夫弁護士に聞きました。

威力業務妨害罪や窃盗罪にあたる可能性

Q.図書館で本を隠す行為に法的問題はないのでしょうか。

牧野さん「威力を用いて図書館の業務を妨害したとして威力業務妨害罪(刑法234条)に該当する可能性があり、その場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。さらに、軽犯罪法(第1条31号)の『他人の業務に対して悪戯(いたずら)などでこれを妨害した者』にあたる可能性があり、その場合は、拘留または科料に処せられます。また、図書館管理者の分からない場所に本を隠す行為は、管理者の占有を奪うことになるので窃盗罪(刑法235条)に該当する可能性があり、その場合、10年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。また、図書館が隠された本を利用できず、追加の購入を余儀なくされた場合には、民法709条の不法行為に基づく損害賠償請求をされる可能性もあります」

Q.その他、図書館にまつわる、法的に問題となりうる行為があれば教えてください。

牧野さん「本を傷めたり、本に書き込みをしたりする行為は器物損壊罪(刑法第261条)に該当する可能性があり、その場合、3年以下の懲役または30万円以下の罰金、もしくは科料に処せられます。また、無断で持ち出すと図書館管理者の占有を奪うことになるので窃盗罪にあたる可能性もあります。これらのケースにおいても、図書館が損害を被れば、民法709条の不法行為に基づく損害賠償請求をされる可能性があります」

(オトナンサー編集部)

牧野和夫(まきの・かずお)

弁護士(日・米ミシガン州)・弁理士

1981年早稲田大学法学部卒、1991年ジョージタウン大学ロースクール法学修士号、1992年米ミシガン州弁護士登録、2006年弁護士・弁理士登録。いすゞ自動車課長・審議役、アップルコンピュータ法務部長、Business Software Alliance(BSA)日本代表事務局長、内閣司法制度改革推進本部法曹養成検討会委員、国士舘大学法学部教授、尚美学園大学大学院客員教授、東京理科大学大学院客員教授を歴任し、現在に至る。専門は国際取引法、知的財産権、ライセンス契約、デジタルコンテンツ、インターネット法、企業法務、製造物責任、IT法務全般、個人情報保護法、法務・知財戦略、一般民事・刑事。

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