犬と猫を仲良く飼うためのコツが話題に「猫優先なの?」「こればっかりは相性」、識者に聞く
犬と猫を仲良く飼うためのコツがネット上で話題に。海外の番組で紹介された「犬の方をしつける」「お互いのニオイをかがせる」などのポイントについて、さまざまな意見が上がっていますが実際のところは――。
ネット上で先日「犬と猫を両方仲良く飼うためのコツ」が話題となりました。きっかけは、海外の動物専門チャンネルで放送された番組。その中で紹介された「種ではなく性格を考慮する」「犬の方をしつける」「両者を対面させる前、猫に縄張りを与える」「犬と猫を会わせる前にお互いのニオイをかがせる」「できれば小さいうちから一緒に育てる」といった方法について「大変そう」「猫優先なの? 犬ばっかり我慢させてる」「うちはほっといたら勝手に仲良くなったよ」「こればっかりは相性だよね」など、さまざまな声が上がりました。
犬と猫の両方を上手に飼うためのポイントは何でしょうか。オトナンサー編集部では、犬と猫の生態に詳しい東京農業大学農学部の内山秀彦准教授(ヒトと動物の関係学/動物行動学)に聞きました。
個体の性格と住居環境について検討を
Q.犬と猫をペットとして一緒に飼う際、最も重要なポイントは何でしょうか。
内山さん「犬も猫も社会性を持った動物なので、一緒に飼うことに大きな問題点はありませんが、やはりまず考慮すべきは、その個体の気質(性格)と生活環境です。犬も猫も、個体ごとにさまざまな性格を持ちます。社交的で好奇心が強い個体もいれば、不安が強く、やや神経質な性格の個体もいるでしょう。前者であれば、さほど大きな問題もなく互いを受け入れ、共生関係を持った生活が望めると思いますが、比較的後者に近い性格の犬や猫の場合、やや苦労する可能性は否定できません。また、生活環境次第ではあるものの、十分な広さがあれば、お互いの距離や空間を緩やかに分けて生活できますし、ストレスを回避できる自身の隠れ家のような場所を作ることもできます。両者が極度に神経質でない限りは、グルーミングし合うとまではいかなくとも、時間をかけることによって飼い主を中心に仲良く生活できるようになっていくと思います。犬と猫を導入する前には、個体の性格と住居環境について十分に検討する必要があります。限られた空間を共有するには、比較的時間がかかると考えておくべきでしょう」
Q.犬と猫の「初対面」時に気を付けるべきことを教えてください。
内山さん「『仲良くなるだろう』という人間の感覚で、いきなり両者を対面させることは避けた方がよいでしょう。猫は恐怖を抱くと、トレーニングなどでその感覚を払拭するのが犬よりも難しいのです。犬も猫も嗅覚的なコミュニケーションにたけているため、導入にはゆっくりと時間をかけ、まずはにおいを共有していく(混ぜていく)ことから始めます。たとえば、双方のにおいの付いたタオルなどを部屋に置いておく、飼い主がどちらかをなでたり抱いたりした後、他方にアプローチする、などの方法が有効です。お互いの存在を嗅覚的に十分認識させ、様子を見ながら徐々に視覚的にも対面させていくことが望ましいといえます。ファーストコンタクトから緩やかな接触の間では、突発的な危険を避ける上でも、どちらかをケージやキャリーケースに入れておくなどの工夫をするとよいでしょう。飼い主が双方の間を物理的、心理的に取り持てるようになることが重要です」
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