歩きスマホの注意喚起ポスターが「かわいすぎる」「危なさが伝わらない」と話題に…制作者に聞く
福岡市地下鉄の駅構内に掲示された「歩きスマホ」の注意喚起ポスターが話題です。その理由は「かわいすぎ」て「危なさが伝わってこない」から。さっそく制作者に作品の意図を聞きました。

福岡市地下鉄七隈線・天神南駅に掲示されている「歩きスマホ」の注意喚起ポスターが「かわいすぎる」とSNS上で話題になっています。そのポスターは、寝転がったり、ザリガニとたわむれたりする3匹の犬のイラストが描かれ、その横に「歩きスマホ危ないよ!」という警告文が記されたデザイン。これについて「かわいすぎる」「危なさが伝わってこない」「めっちゃ笑った」「きっと深い意味があるはず」「二度見を狙ってるのでは」など、さまざまな反応が見られます。
このポスターに込められた意味はどのようなものでしょうか。オトナンサー編集部では、ポスター制作を主導した福岡市交通事業振興会の木村直子さんに聞きました。
「あえてゆるいテイストを目指した」
木村さんによると、ポスターは天神南駅構内の、ホームから改札口に上がる出口手前の壁に2016年10月末ごろから掲示しているもの。ポスターの作成にあたっては、さまざまな障がいを持つ人のアート活動のプロデュースやサポートを行う鎌田恵務さんとデザイナーの久保丈子さんに、作品の選出や組み立て、構成などのコーディネートを依頼したといいます。
「犬のイラストは、障がい者のアート作品を扱う障がい福祉サービス事業所『工房まる』所属のアーティストであるTAKESHIさんに描いてもらったもの。乗車マナーの啓発という内容柄、堅いデザインにすると嫌な印象を与えてしまう可能性もあるため、あえてゆるいテイストを目指し、和むようなトーンのイラストとしました」(木村さん)
SNS上には「犬がかわいい」「なんでザリガニ?」などのコメントが多く見られますが、TAKESHIさんによる6パターンの犬(=パグ)のイラストから、「危ないよ」という言葉をキーワードに選出・構成したもの。ただし、どうしてザリガニなのかは「よく分からない」といいます。
ちなみに、同駅構内にはほかに、鳥をモチーフにした歩きスマホの注意喚起ポスターや、エスカレーター利用時の注意喚起ポスターなども掲示されています。これらにデザインされているフクロウなどのイラストも同様に“ゆるかわいい”もの。犬が3匹描かれたポスターは、別府駅と福大前駅にも掲出されているそうです。
天神南駅利用者の中には、「かわいい」と犬のポスターに手を伸ばす人もいるとのこと。SNS上の声について、木村さんはどのように感じているのでしょうか。
「快適に地下鉄をご利用いただくためのマナー啓発は大事ですが、ややもすると『口うるさく』『注意されている』印象だけが残る場合も多いと思います。障がいのある方が描いた、少しほんわかするアートで優しくメッセージを伝えられたらと制作したので、大きな話題となり、好意的に捉えてもらえるのはありがたいです」
(オトナンサー編集部)
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