オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

こんな先生に出会いたかった! 教師役がハマっていた俳優5選

田幸和歌子さんが選ぶ「テレビドラマ●選」。今回のテーマは「教師役がハマっていた俳優5選」です。

武田鉄矢さん(2019年8月、時事)、仲間由紀恵さん(2020年11月、時事通信フォト)、反町隆史さん
武田鉄矢さん(2019年8月、時事)、仲間由紀恵さん(2020年11月、時事通信フォト)、反町隆史さん

「○○年代を代表するラブストーリー」「△△役がハマる俳優」など、テレビドラマにまつわるさまざまなテーマについて、テレビドラマに詳しいライターの田幸和歌子さんが「●選」の形式で紹介、解説します。

 今回のテーマは「教師役がハマっていた俳優5選」です。

大きな影響を与えた金八先生

■武田鉄矢さん 「3年B組金八先生」シリーズ(1979~2011年、TBS系)

 学園ドラマの金字塔と称され、多くの俳優を輩出した生徒役キャストが若手俳優の登竜門の一つに数えられていた同作。中学校の国語教師・坂本金八(武田さん)が教育現場のさまざまな問題に生徒と共に真正面から向き合い、奮闘する姿が描かれます。

「教師役の俳優と聞いて、武田さんの存在は外せません。後の社会にも大きな影響を与えました」(田幸さん)

「作品自体はキラキラした青春を描いているわけではなく、リアルな社会問題に向き合う重いテーマを扱っていましたが、金八が作品を通して“人としてどう生きるのか”を教えてくれ、それを武田さんが演じることで説得力が増していました。ロン毛のビジュアルや登場の仕方なども含め、とても印象深く残っています」

■山下真司さん 「スクールウォーズ」シリーズ(1984~1991年、TBS系)

 京都・伏見工業高校のラグビー部をモデルに、ラグビー元日本代表の熱血教師・滝沢賢治(山下さん)が赴任した高校で数々の苦難を乗り越え、無名のラグビー部を全国優勝させるまでの軌跡を描いたストーリー。

「山下さんにぴったりな熱血教師役。前述の『金八先生』とは真逆でエンタメ要素満載の作品でもありました」

「生徒たちを殴るシーンが有名ですが、この演出は今では考えられませんし、放送当時も驚きでした。現在でも、このシーンがよく物まねされているように、それだけ世間に衝撃を与えたのと同時に、山下さん演じる滝沢の熱血教師ぶりが強く印象に残っていることの表れでもあります」

■水谷豊さん 「熱中時代」シリーズ(1978~1989年、日本テレビ系)

 結婚退職した教師の後任で若葉台小学校に赴任し、校長・天城順三郎(船越英二さん)宅に下宿することになった新任教師・北野広大(水谷さん)が、同じく下宿をしている教師たちとの生活や小学校で巻き起こる問題に体当たりでぶつかっていく姿を描いた物語。

「教師を描いた作品の中ではあまり見られない、小学校を舞台にしていることが注目ポイントの一つです」

「小学校が舞台ということもあって、青春要素は一切なく、水谷さん演じる未熟な教師が生徒たちと一緒に成長していく姿が描かれていますが、このような作品は珍しく、どこか応援したくなるようなタイプの先生。いつもジャージー姿で、北海道なまりの水谷さんがとても魅力的です」

圧倒的な人気を誇る、鬼塚英吉

■仲間由紀恵さん 「ごくせん」シリーズ(2002~2009年、日本テレビ系)

 任侠集団・大江戸一家で育った高校教師・山口久美子(仲間さん)、通称「ヤンクミ」が問題児ぞろいの3年D組の担任となり、持ち前の正義感とめっぽう強い腕っ節で、生徒たちに起こるあらゆる事件を筋を通して解決していくストーリー。

「頼もしくもあり、生徒たちと対等な関係を築いていくヤンクミの姿が描かれています」

「おなじみの決めぜりふがあり、エンタメ要素がありつつ、リアリティーな部分も見られる教師・ヤンクミ。作品としても、もめ事のシーンが倉庫で描かれる点など、学園ドラマに限らず、さまざまな作品のフォーマットになっている側面もあります」

■反町隆史さん 「GTO」(1998~1999年、関西テレビ・フジテレビ系)

 藤沢とおるさんの同名漫画を原作に、教師になる夢を抱いていた元暴走族のリーダー・鬼塚英吉(反町さん)が私立武蔵野聖林学苑の教員に採用され、破天荒ながらも生徒たちの抱える問題を次々に解決し、次第に信頼と人望を得ていく姿を描いた物語。

「現役の学生たちから圧倒的な人気を誇り、反町さんの魅力的な姿を含め、『GTO』こそが最高傑作だという声も」

「元暴走族でハチャメチャな型破りの教師・鬼塚の姿は現在放送中の『ドラゴン桜』と共通する部分も。やんちゃな生徒たちの中になじんで、彼らと同じ目線を持つ鬼塚の姿に、現役の学生たちに加え、学生時代、あまり学校に行かなかった人たちからの支持を集めている点も特徴の一つです」

(オトナンサー編集部)

田幸和歌子(たこう・わかこ)

ライター

1973年長野県生まれ。出版社、広告制作会社勤務を経て、フリーランスのライターに。Yahoo!公式コメンテーター「エンタメライター」。週刊誌・月刊誌・ウェブ等で俳優・脚本家・プロデューサーなどのインタビューを手掛けるほか、ドラマコラムをさまざまな媒体で執筆中。エンタメ記事は毎日2本程度執筆。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)、「KinKiKids おわりなき道」「Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき」(いずれもアールズ出版)など。

コメント