オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

広瀬すず、杉咲花らが巣立った伝説ドラマ「学校のカイダン」を語り継ぎたい!

同世代のせめぎ合いによる効果

 ところで、「学校のカイダン」には、ヒロインやプラチナ8以外にも重要な存在がいました。

 神木隆之介さんが演じた慧です。明蘭学園の元生徒会長で、当時のプラチナ枠の生徒たちによって大けがをし、それを隠蔽(いんぺい)した学校に対して復讐(ふくしゅう)しようとする役柄でした。ヒロインにとってはスピーチの師匠でもあり、最終的には恋人同士になります。

 広瀬さんや杉咲さん、成田さんたちに比べたらやや年上ですが、芸歴の違いはそれ以上。何せ、生まれた2年後にはCMデビューを果たし、「学校のカイダン」の時点で役者歴は15年を超えていました。広瀬さんの言う「みんなの方ができる」をまさに象徴する存在だったわけです。

 この4年後、広瀬さんは映画「ラストレター」で神木さんと再会。パンフレットでは「仲良くなり過ぎていて、逆に恥ずかしいというか照れる感じでした(笑)」としつつ、「(舞台裏では)何でも言い合える」「(2人のシーンでは)全く違和感がなかった」と語っています。一方、神木さんは「言ってみれば腐れ縁」「(自分のアクションを)面白がって受け取ってくれる人」と親しみあふれる賛辞を送っていました。

 どちらにとっても「学校のカイダン」での共演はプラスに働いているのでしょう。同じ世代の役者同士のせめぎ合いは、さまざまな相乗効果を生み出します。そんなせめぎ合いが必然的、かつ多発的に起きる学園ドラマが若手役者の成長や飛躍につながりやすいのは、そういう理由からなのです。

 そこで思い出されるのが、やはり学園ドラマだった「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系)です。この作品でも、生徒役の役者同士はもとより、世代の近い主役の教師を演じた菅田将暉さんをも巻き込んだ相乗効果が起きていました。いわゆる衝撃作だったため、そのあたりはすでに随所で語られていますが、「学校のカイダン」の相乗効果もまた、なかなかのものだったと言えます。

 果たして、広瀬さんや杉咲さん、成田さんといった明蘭学園出身者たちは「芸能のカイダン」をこれからどう上っていくのでしょうか。さらなる期待を持って見守りたいものです。

(作家・芸能評論家 宝泉薫)

1 2

宝泉薫(ほうせん・かおる)

作家、芸能評論家

1964年岐阜県生まれ。岩手県在住。早大除籍後「よい子の歌謡曲」「週刊明星」「宝島30」「噂の真相」「サイゾー」などに執筆する。近著に「平成の死 追悼は生きる糧」(KKベストセラーズ)、「平成『一発屋』見聞録」(言視舎)、「あのアイドルがなぜヌードに」(文春ムック)など。

コメント