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アンケート常連! おせちに飽きると「カレー」「ラーメン」が食べたくなる理由は?

おせち料理に飽きると食べたくなるのが「カレー」や「ラーメン」です。なぜ、おせち料理に飽きると、カレーやラーメンを食べたくなる人が多いのでしょうか。

おせちに飽きたら、カレーやラーメン?
おせちに飽きたら、カレーやラーメン?

 正月になると、日本ではおせち料理を食べることが伝統ですが、それが2、3日続くと飽きてしまう人も多いと思います。そして、無性に食べたくなるのが「カレー」や「ラーメン」ではないでしょうか。毎年行われている「おせち料理に飽きたら食べたい料理は何か?」というネットアンケートでも、カレーやラーメンは必ず上位にランクインしています。

 世の中には数多くの料理がありますが、なぜ、おせち料理に飽きたら、カレーやラーメンを食べたいと思う人が多いのでしょうか。料理研究家で管理栄養士の関口絢子さんに聞きました。

味のトーンが似たおせち料理

Q.1年に1度しか食べない、ごちそうであるおせち料理ですが、2、3日で飽きてしまうことが多いのはなぜでしょうか。

関口さん「一般的に、おせち料理は保存食であるため、ほとんどの料理がしょうゆやみりんを使った濃い味付けで、防腐剤代わりに砂糖もたくさん使います。例えば、黒豆や栗きんとん、だて巻き、田作り(ごまめ)、おたふく豆、錦卵、きんかんの甘露煮は全て甘い食べ物です。その他、煮しめ、昆布巻き、手綱こんにゃくなどもみりんや砂糖をしっかり使う料理です。彩りこそ豊かであっても、味のトーンが似た食べ物が中心となっているため、2、3日続くと飽きてしまうのではないでしょうか。

また、体の自然な欲求として、いろいろな食べ物から栄養を取るように脳からの指令が出るようです。脳科学者の茂木健一郎先生によると『飽きることは脳の才能の一つ』だそうです。おせち料理の糖質は高く、何日か続けば、健康上からも脳が飽きるのは当然かもしれません」

Q.おせち料理に飽きると、代わりにカレーやラーメンを食べたくなる人が多いようです。なぜでしょうか。逆にカレーやラーメンを欲しない人は何を食べたくなるのでしょうか。

関口さん「先述したように、おせち料理が全体的に甘辛い味付けで、しかも保存食であることから、スパイシーな食べ物や動物性のうま味が強く感じられる料理が恋しくなったり、出来たての温かい料理が食べたくなったりするのではないでしょうか。

昔、大手食品メーカーのCMで『おせちもいいけどカレーもね!』というキャッチコピーがありましたが、カレーは今や日本人の国民食ともいえます。おせち料理とは対照的な味で、日本人の主食であるご飯に合う料理で、しかも日常の食生活でもなじみのあるカレーが食べたくなるのは当然のことかもしれません。ラーメンに関しては、正月は昼間から『おとそ』、つまり、お酒を飲みながらおせち料理を食べるため、締めのラーメンという感覚で、うま味の効いたスープと麺を食べたくなるのかもしれません。

おせちに飽きたら食べたい食べ物のアンケートで、カレーやラーメン以外では、おすしや刺し身、うどん、そば、あるいはピザ、ハンバーガー、パスタが挙がります。胃腸が疲れて、さっぱりしたものが食べたくなるケースと、和食に飽きて洋食が食べたくなるケースと体調や好みの問題で分かれるようです」

Q.おせち料理だけだと不足する栄養はあるのでしょうか。カレーやラーメンが食べたくなるのは、その栄養を補給したいという意識の表れなのでしょうか。

関口さん「おせち料理に使う食材はマメやイモ、コブ、野菜、魚介類、鶏肉など栄養バランスはよいといえますが、色をきれいに仕上げたり、味をクリアにしたりするための下処理の過程で失われている栄養素があります。水溶性ビタミンやミネラル、抗酸化物質であるポリフェノールなどです。

カレーやラーメンが食べたくなるのは嗜好(しこう)性が大きく影響していると思いますが、栄養学的に見ても、カレーは野菜や肉をスープごと食べる料理なので、おせち料理に少ない栄養素が補給できる食べ物かもしれません。ラーメンも具材によっては同様です」

Q.カレーやラーメンにもさまざまな種類があります。おせち料理に飽きた後に食べるとよいのは、どのような種類のカレーやラーメンでしょうか。

関口さん「先述したように、おせち料理を作る過程で水溶性ビタミンやミネラル、抗酸化物質であるポリフェノールなどが失われています。カレーやラーメンを選ぶ際はできるだけ、これらの栄養素が含まれる具材の多いものを選ぶとよいでしょう。カレーは野菜や肉がゴロゴロ入っているもの、ラーメンならタンメン、もやしラーメン、ねぎラーメンなどです。トッピングで追加してもよいと思います」

Q.カレーやラーメン以外で、おせち料理に飽きたとき、栄養学的に食べるとよい料理は何でしょうか。

関口さん「緑黄色野菜が不足しがちなので、サラダや具だくさんのみそ汁、野菜料理を追加して、バランスよく食べることをおすすめします」

(オトナンサー編集部)

関口絢子(せきぐち・あやこ)

料理研究家・管理栄養士・インナービューティースペシャリスト

米国栄養カウンセラー、ヘルスケアプランナー。企業やウェブサイトなどの各種メディアで、レシピやコラム、企画提案などを行う。斬新なアイデアやニーズを捉えた企画が人気を博し、CM用のフードコーディネートやフードスタイリング、商業施設のフードプロデュースなど多岐にわたり活動。「毎日続けられること」をモットーに簡単・おいしい・おしゃれ、かつ美容と健康に直結したレシピを発信。自らの体調不良を食で克服した経験から執筆した著書「キレイになる!フェロモンレシピ」で「食から始めるアンチエイジング」をテーマに、女性が一生輝き続けるための食事法を紹介。セミナーや女性誌の特集で人気を集めている。

■オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/ayako-sekiguchi/
■YouTubeチャンネル「管理栄養士:関口絢子のウェルネスキッチン」(https://www.youtube.com/channel/UC6cZRYwUPyvoeOOb0dqrAug

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