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史上初!? 笑える「光源氏」を演じてもイケメンな千葉雄大に、いいね!したい

光源氏を特別なものにする「品格」

 まずは、デビュー作「天装戦隊ゴセイジャー」(テレビ朝日系)の主役・ゴセイレッド。戦隊モノといってもワイルドなテイストではなく、「(護星)天使」たちが活躍する異色作です。まさにハマり役で、シリーズ史上最高に“かわいいレッド”として話題になりました。

 その後、ドラマ「桜蘭高校ホスト部」(TBS系)や映画「アオハライド」「黒崎くんの言いなりになんてならない」といった作品に出演。いずれも少女漫画原作で、中性キャラや王子キャラをこなしました。

 実写化の際にありがちな「イメージと違う」という声がほとんど出てこないのが“2.5次元的イケメン”と呼ばれる千葉さんならではです。

 また、ドラマ「高嶺の花」(日本テレビ系)では、屈折したキャラのイケメン華道家を演じました。自らの容姿を武器に、野心を成就させるべく、芳根京子さん扮するヒロインの妹を誘惑したりします。

 そして、今回の「いいね! 光源氏くん」です。その予告番組で、千葉さんは「光源氏の役を自分がやらせていただけるっていう、役者人生になるとは思わなかった」と控えめに語りました。が、伊藤さんは共演した感想をこう明かしています。

「千葉さんが発する言葉じゃなかったら泣けなかった、っていうシーン、たくさんありますし、キュンキュンシーンとかもそうですけど、それ以上に、光くんの人間としての魅力が、千葉さんから出る言葉にしても行動にしてもすごいあふれてて、本当にすてきだなって」

 フィクションとしての光源氏と生身としての千葉さんとが、一体となって伝わってくる人間力、ということでしょうか。確かに、人は美男美女だからというだけでモテるわけではありません。前出の東山さんも、光源氏を特別なものにしている条件として「品格」を挙げています。これは、今回のドラマにも当てはまるでしょう。

 というのも、光源氏が現代で巻き起こす天然な言動がほのぼのとした笑いをもたらすのは、そこに貴人ならではの品格があるからです。そして、ヒロインに示す優しさもまたしかり。女性への接し方に品格があるからこそ、グッときてしまうのです。

 つまり、光源氏も千葉さんも中身の伴うイケメンだからこそ、人気を得られるというわけです。

 ところで、現在の日本は決して明るい状況ではありません。新型肺炎問題による世の中の沈滞化は、東日本大震災の直後にも似ています。ちなみに、震災直後のクールでヒットした連ドラは「JIN -仁-」(TBS系)と「マルモのおきて」(フジテレビ系)でした。タイムスリップ物とほのぼの系ファンタジーです。

 そんなタイミングで登場した「いいね! 光源氏くん」。もしかしたら、千年の時をまたぎ、日本人を息抜きさせるために天がくれた贈りものなのかもしれません。

(作家・芸能評論家 宝泉薫)

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宝泉薫(ほうせん・かおる)

作家、芸能評論家

1964年岐阜県生まれ。岩手県在住。早大除籍後「よい子の歌謡曲」「週刊明星」「宝島30」「噂の真相」「サイゾー」などに執筆する。近著に「平成の死 追悼は生きる糧」(KKベストセラーズ)、「平成『一発屋』見聞録」(言視舎)、「あのアイドルがなぜヌードに」(文春ムック)など。

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