史上初!? 笑える「光源氏」を演じてもイケメンな千葉雄大に、いいね!したい
長谷川一夫さん、沢田研二さん、東山紀之さん…“特別な人”が演じてきた「光源氏」を、千葉雄大さんが演じています。

NHK総合の「よるドラ」枠で、連続ドラマ「いいね! 光源氏くん」が4月4日に始まりました。原作は、えすとえむさんによる同名レディースコミック。俳優・千葉雄大さん扮(ふん)する光源氏が現代にタイムスリップするという、ファンタジックなラブコメディーです。
ゆるくておちゃめ、新しい光源氏
このドラマの制作が発表されたとき、そのキャスティングにうならされました。まずは、ヒロインの伊藤沙莉さん。光源氏を居候させることになり、そのギャップだらけの言動に驚きながら、次第に引かれていくOLの役です。
こういう役を演じさせたら、今、彼女の右に出る人はいません。3月に放送された単発ドラマ「三浦部長、本日付けで女性になります。」(NHK総合)でもそうでした。ムロツヨシさん扮する、突然、女装に目覚めた上司に翻弄(ほんろう)されながらも、温かくサポートするOL役を好演。いわば“普通”の女性の感覚を自然体で表現できる、貴重な存在です。
また、光源氏のライバルで、やはり現代にタイムスリップする頭中将役には、桐山漣さん。思い出されるのは、「仮面ライダーW(ダブル)」(テレビ朝日系)です。新人だった菅田将暉さんとのダブル主演で、先輩としてうまくリードしていました。こちらは“相棒”性とでもいうべきものの示し方に持ち味があります。
そして何より、主役の千葉さんです。実は普段から、今の役者で光源氏にハマりそうなのは、千葉さんか三浦春馬さんあたりだと感じていたので、わが意を得たりでした。その期待通り、生まれて初めての抹茶ラテフロートに感動して、いきなりカフェで和歌を歌い上げてしまうような、ゆるくておちゃめな新しい光源氏像を作り上げています。
ちなみに、2011年に公開された映画「源氏物語 千年の謎」では、生田斗真さんが光源氏役でした。そのパンフレットの中で、藤原道長役の東山紀之さんが、こんな発言をしています。
「斗真がね、ちゃんと源氏として存在感を出していたのでビックリしました。いや、源氏をやるのはその時代の特別な人じゃないと、説得力を出すことも含めて難しいんですよね(中略)紫式部が描く世界観というのは、普通の人を引っ張ってきても表現できるものじゃないんです。それはやっぱり、ある選ばれた人じゃないと難しいんじゃないですかね」
これはなかなか鋭い指摘です。確かに「源氏物語」の映像化の歴史を振り返ってみても、光源氏は「その時代の特別な人」が演じてきました。戦後間もない頃には、昭和の二枚目スターの代名詞で国民栄誉賞も受賞した長谷川一夫さん。1980年代には「ジュリー」の愛称でビジュアル系男子の先駆けともされる沢田研二さんが、その大役を務めました。
実は東山さんも1990年代に、光源氏の青年期を演じています。「しょうゆ顔」という言葉を流行させ、時代を象徴するイケメンとなった頃の話です。
そう、光源氏の役には、イケメンを象徴するような、その記号的存在となるような人が似合います。「イケメンといえば」という問いに、真っ先に名前が挙がるような人です。千葉さんは間違いなくその一人でしょう。実際、デビューからの10年間でさまざまなイケメンを演じてきました。
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