視聴率調査が大幅リニューアル “個人”重視でどのテレビ局が制する?
鍵は若手タレントと若手社員の抜てき
その日本テレビで今最も注目度が高いのは、今春からレギュラー化される「有吉の壁」。同番組は「若手芸人たちがさまざまな“お笑いの壁”に挑戦する」という現在のゴールデン帯では絶滅した純度100%のお笑い番組であり、若年層を含む幅広い層を視野に入れていることを明かしています。
日本テレビは今後も「有吉の壁」に限らず、霜降り明星をはじめとするお笑い第7世代の芸人、若返りを図るジャニーズや好調が続く坂道グループなどのアイドル、学園ドラマが似合うフレッシュな俳優など、若手タレントの抜てきを続けていくでしょう。また、若手タレントが成長すれば、その経緯と信頼関係は日本テレビの財産になりますし、要所を締めるベテラン・中堅タレントとの相乗効果も期待できます。
一方、他局はどこまで日本テレビに食らいついていけるのか。鍵を握っているのは、やはり世帯視聴率からのシフトチェンジであり、それができれば、おのずと番組の企画も変わっていくでしょう。そのためには、若手社員の抜てきもこれまで以上に求められるのではないでしょうか。
高齢層向けの人気番組をそのまま生かしつつ、若年層を取り込むべく、いかに新たな風を吹き込んでいけるか。今春の視聴率調査リニューアルは、変わることを恐れない各局の覚悟が試されているのかもしれません。
(コラムニスト、テレビ解説者 木村隆志)
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