備えよう! 災害時、電気・ガスなしで作れるおすすめ「非常食レシピ」
大災害時には、電気やガスが止まってしまうことが多いです。そんなとき、おいしい「非常食」ができれば、避難生活が少しは過ごしやすくなるかもしれません。
東日本大震災の発生から9年。ライフラインの電気、ガスが止まったとき、困るのは食事ですが、身近な食材である缶詰など備蓄しやすい食べ物を使って、よりおいしく食べられる「非常食レシピ」をご紹介しましょう。
賞味期限が長く、常温保存可能な食品
災害時はボランティアの皆さんが炊き出しをして、食事を準備してくださることが多いのですが、内容はカレー、チャーハン、スパゲティなどが多いようです。これらの食事は炭水化物中心で、タンパク質、ビタミン類が足りない傾向があります。それでも緊急時には選択肢がなく、同じものを食べ続ける人も多いものです。
少し多めに食材、加工品を買い置きして、使った分を新しく買い足すことで常に一定量の食料を家に備蓄する「ローリングストック」の観点から、常温保存野菜、乾物、缶詰を使用して、普段の生活の中でいつでも作って食べることができる内容を考えておくと、災害時に活用できます。
ガス、電気の供給が止まることを想定して、調理の熱源としてカセットコンロとボンベを日頃から準備しておくのもおすすめです。
非常時の想定被害として、水道が使えなくなると、手洗い、洗浄ができない、飲料水が確保できない、水が必要な食品は利用できないなどの問題があります。電気がなければ、冷蔵庫、冷凍庫、電動の調理器具は使用できませんし、照明が使えないので夜間の調理もできなくなってしまいます。
ガスが止まれば、ガスによる調理器具は使用できず、加熱が必要な食品は利用できません。道路が寸断されれば、必要な食品を輸送できず、ごみの搬出もできなくなってしまいます。
このような状況で活躍する食品は、賞味期限が十分にあり、常温で保存がきくもの、加熱・加工が極力必要ないもの、水は使わなくても調理ができ、ごみが出ず、容器が器の代わりになるものや個包装のものです。
非常時におすすめのレシピ
非常時に活用できる、おすすめのお食事をご紹介しましょう。丼は一品でも満足でき、サラダは食物繊維も補えます。ちりめんやキュウリ、サラダ菜などが手に入る場合は、たくさん加えてもよいでしょう。エネルギー源となる炭水化物のご飯、タンパク質、脂質、ビタミン類も補えるメニューです。
【ねばねば丼】
<材料(2人分)>
・レトルトご飯 適量
・ツナ缶 2パック
・ナガイモ 60グラム
・アボカド 1個
・ミニトマト 6個
・温泉卵 2個
・もみのり 適量
・濃い口しょうゆ 小さじ1/2
<作り方>
1.ナガイモは皮をむいて1センチ角にする。アボカドは種を除いて一口大に切る。
2.ご飯にもみのりをのせ、「1」とツナ缶、ミニトマトの具をすべて入れて、最後に温泉卵をのせたら、しょうゆをかける。
【ミックスビーンズサラダ】
<材料(2人分)>
・ミックスビーンズ(ドライパック) 1缶
・タマネギ 1/6個
・オリーブオイル 大さじ1/2
・酢 大さじ1/2
・塩 小さじ1/4
・こしょう 少々
<作り方>
1.玉ねぎは薄切りにして、塩を振っておく。しんなりとしたら水けを絞っておく。
2.器に「1」と酢、塩、こしょうを加えて混ぜ合わせ、ミックスビーンズ、オリーブオイルを加えて、よくあえたら出来上がり。
避難生活では、野菜不足によるビタミン不足の問題が起きがちです。ミックスビーンズなど豆缶は火が使えれば、トマト煮にしてもおいしく食べられます。トマト缶、豆缶、フルーツ缶なども備蓄して、食事に取り入れていきましょう。
(管理栄養士、NS Labo代表理事 岡田明子)
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