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三浦友和、モトーラ世理奈を絶賛「そこにハルという女の子がいました」

映画「風の電話」に出演する三浦友和さんに、諏訪敦彦監督との久しぶりの仕事やモトーラ世理奈さんの印象などについて聞きました。

三浦友和さん
三浦友和さん

 映画「風の電話」に出演する俳優の三浦友和さん。同作は、東日本大震災で家族を失ったハル(モトーラ世理奈さん)は、広島で叔母と暮らしています。ある日、叔母が倒れ、ハルは震災から帰っていなかった故郷へヒッチハイクで向かい、公平(三浦さん)や出会った人々と交流しながら、故郷の「風の電話」を目指す…震災で家族を失った少女の再生を描いた人間ドラマです。

 オトナンサー編集部では、三浦さんに単独インタビューを実施。諏訪敦彦監督との久しぶりの仕事や公平の捉え方、モトーラ世理奈さんの印象などについて聞きました。

セリフが書かれていない台本

Q.諏訪敦彦監督と久しぶりに仕事をされていかがでしたか。

三浦さん(以下敬称略)「誘ってもらえることがうれしかったです。またあの空気に入れるのかという喜びが大きかったです」

Q.諏訪監督の現場は、どんな現場なのでしょうか。

三浦「台本にセリフが書いてないんです。自分のセリフは出せるんですが、相手のセリフも書いていないので何を言うか分かりません。きちんと相手を見て、相手ときちんとやりとりをする。基本的なことですよね。自分のセリフだけ覚えて勝手に演じるのが通じないですから。人としても大事です。それを再確認できる現場です」

Q.セリフが書いていない台本とは。

三浦「多分、こういうセリフになるだろうなという、場面説明と心情は書いてあるので、それをもとに自分の中で膨らませる作業でした。アドリブで芝居をしなければいけないので、諏訪さんの組を体験したことがない方からはそういう意見があります。終わってみると、全然そんな感じはないし、セリフがちゃんと書いてある台本で演じたような感じですね。アドリブだけとか、そんな感想は残りません」

Q.「風の電話」はご存じでしたか。

三浦「知らなくて、現実にそんなものがあるのかと思いました。違和感を覚えなかったのが不思議でした。普通は疑問に感じそうですが、これに関してはそういう気持ちにならなかったです。すごいことを真面目にしているとか、そこに行く人がいる事実などを素直に受け止められました」

Q.モトーラさんと共演されていかがでしたか。

三浦「叔母さんが倒れ、そこで全て失ってパニックになり、ハルが倒れたところで知り合います。倒れているところを助けるわけですが、ハルは何もしゃべりません。でも言葉のない彼女の感情が手に取るように分かるというか、女優さんとしてはベストな人ですね。何も発しなくても感じることができる、素晴らしい女優さんです。

こちらの言っていることは受けてくれるし、表情を見ると感じていることが分かるし、それはすごいことです。本当にそこにハルという女の子がいました」

Q.公平はどんな人間だと捉えましたか。

三浦「セリフでも話していますが、妻子に逃げられ、妹が自殺して、住んでいる所は被災地です。ハルの抱えていることが分かる環境にあった人ですね。ハルの故郷を聞いただけで状況を理解できる、自分も孤独を抱えている人です」

Q.普段、演じる上で意識していることを教えてください。

三浦「理想は芝居しているように見えないことですね。本当に生きていて存在するように、というのが理想です。演じている“その人”に見えるとしたらそれがベストですね」

Q.ストレス解消法を教えてください。

三浦「あまり働かないこと。半年以上は休みたいと思っていますが、年齢的に許されると思います。休みはぼんやりしたり、旅をしたり、一日中、パジャマでテレビを見たりしています」

 映画「風の電話」は全国公開中。

スタイリスト:藤井享子
ヘアメーク:及川久美(六本木美容室)

(オトナンサー編集部)

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