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紅白歌合戦が出演者を“さみだれ式”に発表するようになった理由

連日、「NHK紅白歌合戦」の追加出演者に関するニュースが報じられています。紅白が近年、さみだれ式に出演者を発表するのは、なぜなのでしょうか。

(左から)松任谷由実さん(2017年8月、時事)、YOSHIKIさん
(左から)松任谷由実さん(2017年8月、時事)、YOSHIKIさん

 連日、大みそかの「第70回NHK紅白歌合戦」に関するニュースが流されていることに、お気付きでしょうか。その大半を占めているのは追加出演者の発表です。

 11月14日の出場歌手発表後、22日に竹内まりやさん(「いのちの歌」)、25日にRADWIMPS(「天気の子 紅白スペシャル」)、12月11日に映画「アナと雪の女王2」の中元みずきさん(「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」)、映画「トイ・ストーリー4」のダイヤモンド☆ユカイさん(「君はともだち」)、映画「アラジン」の中村倫也さん&木下晴香さん(「ホール・ニュー・ワールド」)、15日にYOSHIKI feat. KISS<YOSHIKISS>(曲未定)、19日に松任谷由実さん(「ノーサイド」、ラグビー日本代表選手も出演)、20日にビートたけしさん(「浅草キッド」)、24日にSixTONES、Snow Man率いるジャニーズJr.(「LET’S GO TO EARTH」「Let’s Go to Tokyo」)と、次々に追加出演者が発表されています。

 これは今年に限った話ではなく、昨年も北島三郎さん、サザンオールスターズ、松任谷由実さん、米津玄師さんらが11月の出演者発表後、「追加出演者が決定」というニュースとして報じられました。

 なぜ、近年の「紅白歌合戦」は一度にまとめてではなく、さみだれ式に出演者を発表しているのでしょうか。

期待感を徐々に高める定番の方法

 制作者と出演者への取材を進めていくと、「PR」「大物交渉」という2つの理由が浮かび上がってきます。

 まず、テレビ番組の「PR」をする際のさみだれ式は極めてオーソドックスな方法。単発の特番だけでなく連ドラなども、情報をさみだれ式に出して繰り返し目にしてもらうことで印象付け、期待感を徐々に高めていくことができます。

 もともと、「紅白歌合戦」は「出演者の発表から放送まで1カ月以上時間が空き、その間の話題作りが難しい」と言われ、29日から31日にかけて行われる「リハーサルしか十分なPRができない」とされていました。

 また、ウェブメディアの環境が大きく変わったことも、さみだれ式のPRを後押ししています。2010年代に入って「オトナンサー」のようなウェブ専門メディアが増えただけでなく、雑誌や新聞などの各媒体がウェブメディアを運営し、連日多くの記事を配信するようになりました。

 そのため、「紅白歌合戦」のようなバリューのある番組が「出演者の追加発表」などのニュースを流すと、数十ものウェブメディアが記事を配信することになり、さらにそれがSNSで拡散されることで、多くの人々に知ってもらえるのです。

 そんなウェブメディアの記事が「紅白歌合戦」にとって重要なもう一つの理由は、若年層にリーチできること。近年、「紅白歌合戦」はメインとなる中高年層に加えて、「若年層の視聴者をどう集めるか」が重視されていますし、それがうまくいけば視聴率の低下を防ぐことにつながります。

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木村隆志(きむら・たかし)

コラムニスト、テレビ解説者

雑誌やウェブに月間20本強のコラムを提供するほか、「週刊フジテレビ批評」などに出演し、各局のスタッフに情報提供も行っている。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもあり、新番組と連ドラはすべて視聴するなど1日のテレビ視聴は20時間超(同時含む)。著書に「トップ・インタビュアーの『聴き技』84」「話しかけなくていい!会話術」など。

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