「27時間テレビ」最低視聴率も、社長生出演で示した“バラエティー復活”への思い
フジテレビ系「FNS27時間テレビ にほんのスポーツは強いっ!」は平均視聴率5.8%と過去最低を記録しましたが、社長自ら生出演する姿に好意的意見が寄せられたようです。
毎年恒例のフジテレビ系特別番組「FNS27時間テレビ にほんのスポーツは強いっ!」が11月2日から3日にかけて放送。3年連続でビートたけしさん、関ジャニ∞・村上信五さんが総合司会を務め、3年ぶりに生放送がベースとなりました。
番組内では、トーク番組「たけし・さんまの有名人の集まる店」が20年ぶり、人気企画「ラブメイト10」が3年ぶりに復活。たけしさん扮(ふん)する名物キャラクター・火薬田ドンも登場しましたが、平均視聴率は5.8%と昨年の7.3%より1.5ポイント下がり、歴代最低を記録。数字につながりませんでした。
しかし、SNS上などでは「向上委員会からラブメイト10最高。火薬田ドンの離婚体操爆笑」「ニュース中継時のハプニング、生放送ならではでよかった」「たけし・さんまの有名人の集まる店は毎年コーナー化希望」とおおむね好意的な感想が見受けられました。
特に深夜放送の「さんまのお笑い向上委員会」パートでは、今年6月に就任した同局の遠藤龍之介社長が生出演し、お笑いタレントに体当たりされたり、同局に苦言を呈されたりする一幕がありましたが、そこには遠藤社長自ら広告塔になり、同局が民放の雄だった頃のオープンな社風を取り戻し、バラエティー番組を再興させたいという思いが感じられました。
視聴率3冠王だった時代の光景
遠藤社長は「27時間テレビ」に今年で33年連続出演となった明石家さんまさんをたたえ、感謝状を渡すために登場。「27時間テレビを一年たりとも休むことなく、おしゃべりにいそしみ、昭和、平成、令和と日本国民を笑顔にさせると共に、当社の発展に多大なるご尽力を賜りました」と感謝状を読み上げると、さんまさんから「おしゃべりにいそしんでる? プロとしてしっかりやってるよな」とつっこまれ、スタジオは爆笑。
さらに、お笑いコンビ・鬼越トマホークの坂井良多さんと金ちゃんによる“けんかコント”が展開される中、爆笑問題の太田光さんから突然、体当たりされてしまいます。遠藤社長は、再び始まった鬼越トマホークのけんかコントの仲裁に入りますが、坂井さんから「表彰なんかよりフジテレビを何とかしろよ」と叱責(しっせき)され、笑顔で頭を下げたのでした。
これらの展開に、SNS上では「昔のフジテレビらしくて最高」「バラエティーに好意的な社長」「MVPは遠藤社長」などの意見も。実は、同局の社長自ら番組に出演し、出演者やスタッフの功績を表彰したり、タレントからイジられたりする姿は、かつて同局が年間視聴率3冠王だった時代に見られた光景です。
2001年から2007年まで社長を務めた村上光一氏は「27時間テレビ」をはじめ、「めちゃ×2イケてるッ!」「とんねるずのみなさんのおかげでした」「はねるのトびら」などのバラエティー番組に出演。2005年1月29日放送の「めちゃイケ」は社長室から放送されました。
村上氏の前で、極楽とんぼの加藤浩次さんが「俺、TBSっ子だからね」、よゐこの浜口優さんも「俺、テレ朝っ子だからね。『黄金伝説』高視聴率連発しちゃって」と他局愛を暴露。ナインティナインの岡村隆史さんも「とぶくすり」が半年で終了したことを引き合いに、「愛がない。愛がない」と連呼したのです。しかし、村上氏は笑顔でこの話を聞き入れ、「めちゃイケ」を「フジテレビの宝」と絶賛し、土曜夜8時を長年守り続けた功績をたたえ、表彰状を渡しました。
さんまさんが総合司会を務めた2008年の「FNS27時間テレビ!! みんな笑顔のひょうきん夢列島!!」にも、当時の社長だった豊田皓氏が生出演し、フジテレビ社屋の出入りを許可する通行証をさんまさんに渡すと、「通行証、どうやってつけんねんやろ」と言われ、通行証を斜めに掛けて笑いを誘いました。
当時のフジテレビは、「めちゃイケ」「みなおか」「はねトび」の他、「SMAP×SMAP」「クイズ! ヘキサゴンII」「爆笑レッドカーペット」など、数多くの人気バラエティー番組が放送されていたのです。
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