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出演数トップを爆走! サバンナ・高橋茂雄がリモート環境下で愛される理由

多くのテレビ番組がリモート環境となる中、サバンナの高橋茂雄さんが3カ月連続で番組出演数トップに。その人気の秘密を探ります。

高橋茂雄さん
高橋茂雄さん

 新型コロナウイルスの影響で、大部分のテレビ番組がスタジオと出演者の自宅などを結んだリモート番組になりました。この状況下、お笑いコンビ・サバンナの高橋茂雄さんが、3カ月連続で番組出演数ランキングトップに輝いています。

 高橋さんは自身のYouTubeチャンネルで積極的にネット配信し、リモートと相性が抜群。さらに、人気アイドルグループ・関ジャニ∞がMCを務める「関ジャム」(テレビ朝日系)や情報番組のゲストコメンテーター出演が増えています。

 高橋さんの、共演者の良い部分を笑いに変え、視聴者や現場を和ませる力がコロナ禍にマッチしているのではないでしょうか。今回は、高橋さんの人気の秘密を考察します。

バラエティーから情報番組まで幅広く

「テレビ出演ランキング」によると、高橋さんはコロナが日本で流行した3~5月の3カ月の出演番組数で、人気芸人の中で3カ月連続トップとなりました。249番組に出演し、オードリー(164番組)、カズレーザーさん(160番組)、厚切りジェイソンさん(159番組)、有吉弘行さん(148番組)を大きく上回りました。

 高橋さんは「みいつけた!」(NHK Eテレ)、「くりぃむクイズ ミラクル9」(テレビ朝日系)、「ザワつく!金曜日」(同)、「直撃LIVE グッディ!」(フジテレビ系)、「ヒルナンデス!」(日本テレビ系)など全国ネットで毎週8本のレギュラー番組に出演。バラエティー番組のMCから、4~5歳児の教育エンターテインメント番組、情報番組のコメンテーターまで幅広く活躍しているのが分かります。

 ちなみに、2019年末にニホンモニターが発表した「2019年タレント番組出演本数ランキング」では、バナナマンの設楽統さんが2位、博多華丸・大吉の博多大吉さんが3位、ハリセンボンの近藤春菜さんが4位、くりぃむしちゅーの上田晋也さんが6位、オードリーの若林正恭さんが7位で、高橋さんは20位でした。

 コロナで番組の収録やロケができず、再放送や別番組に差し替えるケースが増えたことで昨年末、出演本数ランキング上位の芸人の出演数が減少した分、高橋さんの需要が増えたのかもしれません。とはいえ、高橋さんのコロナ禍におけるニーズは間違いなく高まっているのが分かります。

リモートで培われた“笑いの勘”

 関ジャニ∞がMCを務める音楽番組「関ジャム」は、5月3日からリモート放送がスタート。高橋さんはリモート前から時々、ゲストで登場していましたが、リモートスタート以降、ほぼレギュラー出演するようになりました。

 5月31日の放送回では、村上信五さんの映像が止まるハプニングがあり、スタッフから、「回線状況が改善しそうにないのでこのまま進めます」と指示が。古田新太さんが「村上くんがいないと番組が運ばへんやん」、他の出演者も「どうする」と困惑する中、高橋さんが安田章大さんに「安田くんのところに村上くんの代わりに犬来てる?」と質問。

 安田さんは「犬来ました、めっちゃチュウされる」と喜びの表情を見せ、高橋さんが「自由すぎるわ」とツッコむと、共演者が爆笑の渦に包まれました。高橋さんが安田さんの犬をいじり、笑いに変え、リモート下で“いざというときに頼りになる一面”を見せたのです。

 高橋さんは自身のYouTubeチャンネルで頻繁に配信し、ビデオ通話で謎を解く「新型リアル脱出ゲーム」を制作。5月24日の「ボクらの時代」(フジテレビ系)で「家にWi-FiがなかったらレギュラーはNGです、みたいな時代が来るかもしれない。毎日YouTube上げるために動画撮ってたら、全盛期の手塚先生ぐらい忙しい」と話し、今後のメディア環境の変化に備え具体的なアクションを起こしています。

 そうした、リモート上で培われた笑いの勘が、番組の緊急事態で発揮されたのではないでしょうか。

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奥村シンゴ(おくむら・しんご)

ライター・メディア評論家

東証1部放送局、通信コールセンターの営業・顧客対応を経て、30歳過ぎから認知症祖母の介護を開始し現在7年目(在宅介護6年、今年1月中旬から祖母精神科病院へ入院中)。フリーライター、メディア評論家として活動中。介護専門誌「認知症ケア」「週間女性PRIME」「アゴラ」「みんなの介護」他で執筆中。「30代男性が孫 在宅介護2190日の挑戦」出版予定。年間100記事超掲載・取材、月間90万PV、Yahoo!トピックストップ、SNSフォロワー5500人超など記録。

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