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「ちいさな独裁者」ロベルト・シュヴェンケ監督に聞く、映画化の経緯や気をつけたこと

映画「RED」「ダイバージェントNEO」などを手がけ、「ちいさな独裁者」でメガホンを取ったロベルト・シュヴェンケ監督にインタビュー。この話を知った経緯や実話の映画化で気をつけたことなどを聞きました。

ロベルト・シュヴェンケ監督
ロベルト・シュヴェンケ監督

 映画「RED」「ダイバージェントNEO」などハリウッド大作を手がけた、ロベルト・シュヴェンケ監督の最新作「ちいさな独裁者」。同作は、部隊を命からがら脱走したヘロルト(マックス・フーバッヒャさん)が偶然拾った軍服をまとって大尉になりすまし、道中で出会った兵士たちを言葉巧みに服従させ、一つの街を征服してしまう…第二次大戦末期の実話をもとにしたサスペンス映画です。

 オトナンサー編集部では、シュヴェンケ監督に単独インタビューを実施。この話を知った経緯や実話の映画化で気をつけたこと、アクション映画と戦争映画のアクションシーンの違いなどを聞きました。

国家社会主義をテーマにしたかった

Q.実話ベースということですが、この話を知った経緯は。

シュヴェンケ監督(以下肩書略)「元々、第二次大戦中の国家社会主義システムの力学や構造をテーマに映画を作りたくて、探しているときにマニアの友達が教えてくれました。ドイツでもあまり知られていない話です。へロルトの最後の裁判記録が残っているオルデンブルグ公文図書館に行き、リサーチをしながら日記などを読み、自分の描きたいテーマだと思いました」

Q.実話の映画化は気をつけるべきことが多いと思います。今回一番気をつけたことは。

シュヴェンケ「事実に即して忠実に描いています。キャラクターを物語に合わせたり、起きたことを引き算したりはしていますが、当時起きたことを、精神や行動、両面に忠実に作っています。

ドイツの第二次大戦映画は、車や衣装の時代考証ができていればバッチリだと思う傾向があり、それはナイーブだと思っています。素敵な衣装が盛り込まれた映画だけでは描ききれないはずなのに。僕らは真実を変えたりしませんが、好き勝手をしても問題ない部分は好きなようにしています」

Q.お気に入りのシーンは。

シュヴェンケ「収容所内に役者を招いた夕食会のシーンです。このシーンは本作を象徴、集約しているシーンだと思います。作品を集約しているシーンを作るのは危険でもあり、かつて、そういうシーンを作ろうとしましたがうまくいきませんでした。今回は象徴するシークエンスとして、キャリアとして初めて成功しました」

Q.ハードな映画でしたが、現場の雰囲気もハードだったのですか。

シュヴェンケ「僕の監督としての仕事の一つは役者を守ることで、彼らが安心していられる安全な空間を作り、彼らの面倒を見ることを心がけています。僕の監督作品では、役者は何をしてもOKです。役者同士の仲間意識が強くお互い助け合っていました。夕食も一緒に出かけていました。ダークな作品ほど現場は楽しい雰囲気になっています」

Q.ドイツでの評価はいかがでしたか。

シュヴェンケ「とてもポジティブな反応でした。やっと、ドイツ映画がこういうアプローチで第二次大戦を描くことができたと受け止められています。ドイツ国民も、これまでの描き方に飽き飽きしてしまっています」

Q.アクション映画を数多く撮られています。戦争映画とアクション映画の撮り方に違いはありますか。

シュヴェンケ「反戦映画を作りたかったのです。そのためには『よし、マシンガンの基地を破壊しにいこう』というようなシーンは撮れません。見せること自体が『彼らは殺されてもいい人間なんだ』という選択になってしまうので。

今作はアクションらしくないアクションでなければいけませんでした。スクリーンで目に映るアクションは早く流れます。スクリーンに映らないアクションには時間をかけています。体験型の映画にしたかったのです」

 映画「ちいさな独裁者」は2月8日から全国公開。

(オトナンサー編集部)

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