迷惑かけてすみません…“左利き”に苦しめられた幼少期描く漫画 母が矯正しなかったワケが…
「左利き」ゆえに苦労した経験を描いた漫画が話題に。左利きで一番つらかったのは小学校時代の書道だったと振り返る女性。その理由は…。

「左利き」ゆえに苦労した経験を描いた漫画「左利き」がSNS上で話題となっています。左利きで一番つらかったのは小学校時代の書道だったと振り返る女性。先生から強制的に右手で書かされたためで…という内容で「とても共感した」「先生のシーンは心が痛んだ」「つらい思いをする子が減ってほしい」「右利き中心の社会は生きづらい」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。
社会の少数派を大切にしてほしい
この漫画を描いたのは、イチョウ ヨワシ(ペンネーム、21)さんです。イラストレーターとして活動しながら、漫画家を目指しています。鈴鹿市社会福祉協議会のマスコットキャラクター「かりんちゃん」の制作を担当しました。
Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。
イチョウさん「小学1年生の頃だと思います。昔から四コマやギャグ漫画が好きで自由帳によく描いていました。その後、大好きなハムスターの漫画に影響を受け、漫画家を目指すようになりました。エッセイ漫画を描くのが好きです」
Q.今回の漫画を描いたきっかけは。
イチョウさん「幼少期から学校や親戚、友人などから左利きについて嫌なことを言われる機会が多かったからです。最近も親戚に会う機会があり『ぎっちょ(左利き)なんか』と言われ、言い方やニュアンスに心が痛みました。左利きについて、今までのつらい記憶が呼び起こされたので、嫌な思いを発散させるために描きました」
Q.どのような思いで漫画を描きましたか。
イチョウさん「左利きに限らず、少数派を大切にしてほしい、という思いで描きました。人との違いに悩んでいる人はたくさんいると思いますが、ありのままの自分を大事にしてほしいと伝えたいです」
Q.お母様に「今も絵を描いてくれていてよかった」と言われたとき、どう思いましたか。
イチョウさん「改めて母の愛を感じました。これからもこの左手を使って、たくさん絵や漫画を描いて、恩返しをしたいと思います」
Q.左利きで今も不便だと感じていること、逆に、左利きでよかったと感じることは。
イチョウさん「スープバーのおたまや駅の改札機が使いにくいこと、漫画のような嫌みを言われることです。よかったことは、漫画を通じ、さまざまな左利きの方と出会えたことです」
Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。
イチョウさん「左利きの方から『共感した』という声や、激しく罵倒されたり殴られたりした経験があるといった声を頂きました。左利きのお子様を持つ保護者様で、矯正するかどうか悩みを打ち明けた方もいらっしゃいます。家庭の問題なので何とも言えませんが、ストレスを感じさせることなく、お子様を育ててほしいと思います」
Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。
イチョウさん「四コマやギャグ漫画を通じ、一人でも多くの人に笑顔になってもらいたいです。また、従来通り、エッセイ漫画にも積極的に取り組んでいきます」
(オトナンサー編集部)
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