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ケーキにカレー、ご飯まで…各社が「飲む○○」缶飲料を発売、背景にストレスや多忙も

阪神大震災がルーツの非常食

6万本以上を販売した「農協の飲めるごはん」
6万本以上を販売した「農協の飲めるごはん」

 ご飯を飲み物にしてしまったのは、北大阪農業協同組合(JA北大阪、大阪府吹田市)です。昨年8月、缶入りの非常食「農協の飲めるごはん」を発売しました。主な原材料は、米、はとむぎ、小豆です。飲む際の加熱は不要で、製造日から5年間保存できます。

 味は「梅・こんぶ風味」「ココア風味」「シナモン風味」の3種類で、価格は1缶260円(税別)。大阪府、奈良県、兵庫県のスーパーなどで取り扱っており、JAや販売代理店3店では電話やFAXで注文を受け付けています。

 JA北大阪の担当者に聞きました。

Q.なぜ「飲めるごはん」を発売したのですか。

担当者「元々は兵庫県の会社の人が開発した商品がベースです。阪神大震災の際、飲み水にも困るほどつらい経験をしたことがきっかけで開発したそうです。商品自体はよかったのですが、会社の知名度がそれほど高くなく販路も少なかったため、備蓄食として普及させるには非常に難しい状況だったとのことです」

Q.そこから、どのようにしてJAによる販売が進められたのでしょうか。

担当者「農協法という法律の改正で、JAは農業振興や農業者の所得向上にもっと役立つよう改革を求められています。ところが、JA北大阪は大阪中心部のベッドタウンにあり、農業そのものの活性化は難しい状況です。農業振興につながる取り組みは何かと模索していたところ、この商品に出合いました。

その後、『地域の米の活用』『災害備蓄品として地域貢献もできる』という思惑が合致したため、特許技術を移転し、地元のお米を使った『農協の飲めるごはん』として販売を開始しました」

Q.主なターゲット層は。

担当者「『農協の飲めるごはん』となってからは、JAグループ、病院、介護施設やアレルギーのお子さまを持つ親御さんの団体、また、個人様からのお問い合わせもたくさん頂いています。大規模な自然災害が相次いでいます。全国のJAグループの施設や、避難指定場所で備蓄品としてご活用いただくことで、災害時の初動段階に必ず役に立つと思っています」

Q.開発時に工夫したことは。

担当者「避難所には、さまざまな年代の人たちが避難されます。少しでも落ち着きを取り戻してもらい、高齢者にも簡単にお飲みいただけるように、甘みと、口に入れたときの感じにこだわっています。穀物が主原料のため腹持ちもいいのが特徴です」

Q.累計販売本数は。

担当者「これまでに2000ケース(1ケース30本入)を超えるご注文を頂いています。メディアでの紹介をきっかけに大きな反響がありました」

Q.商品について、どのような意見が寄せられていますか。

担当者「お米と風味のアンマッチな部分について、商品を見た人は一瞬『えっ?』という顔をされます。実際に飲んだ人からは、『本当に飲みやすいし、よい意味で期待を裏切られておいしく飲める』と言っていただきました。また、アレルギー特定原材料27品目を使用していないので『安心できる』ともご評価いただいております」

 全国清涼飲料連合会(東京都千代田区)によると、2017年の清涼飲料水の生産量は約2200万キロリットル、1人あたりの消費量は約171リットルと、いずれも過去最高に。「働き方改革」「時短」「自然災害への備え」と商品開発の背景はそれぞれですが、飲料市場の活況もあり、今後もユニークな「飲む○○」が登場するかもしれません。

(オトナンサー編集部)

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