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炭水化物控え、肉類多めに摂取…「タンパク質」ダイエットが血糖値を上げる? 糖尿病専門医が説く“意外な危険性”

タンパク質を多く摂取すると、血糖値が上がる可能性はあるのでしょうか。糖尿病専門医が解説します。

タンパク質を取り過ぎた場合のリスクとは?
タンパク質を取り過ぎた場合のリスクとは?

 11月29日は「いい肉の日」です。「11(いい)29(にく)」という語呂合わせを基に、全国有数の肉用牛の産地である宮崎県の「より良き宮崎牛づくり対策協議会」が、味と品質の良さで知られる宮崎牛をアピールするために制定しました。肉類は良質なタンパク質が含まれており、日々摂取したいものです。

 健康診断で「血糖値が高い」と指摘され、日々の食事に気を使っている人も多いと思います。炭水化物の摂取量を減らす代わりに、タンパク質の摂取量を増やすダイエット法もありますが、ネット上では「タンパク質が血糖値を上昇させる」という内容の情報があります。タンパク質を多く摂取すると、血糖値が上がる可能性はあるのでしょうか。「eatLIFEクリニック」(横浜市旭区)院長で、内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんが解説します。

タンパク質だけを多く摂取しても糖尿病のリスクは上がらない

 血糖値の上昇に大きな影響を及ぼすのは主に糖質ですが、実はタンパク質や脂質も血糖値に多少の影響を及ぼします。

 糖質は2時間程度で体内に吸収されますが、脂質は消化や吸収に時間がかかるため10時間程度、タンパク質は4~5時間、それぞれ血糖値に影響を及ぼします。

 ネット上では「タンパク質を摂取すると血糖値が上がる」という内容の情報がありますが、これはどのような食べ物でタンパク質を摂取するのかによって、異なります。

 タンパク質を取ると「インクレチン」というホルモンが分泌され、インスリンの分泌が促されて血糖値が下がりやすくなることが分かっています。タンパク質単体だと血糖値にほとんど影響を与えません。そのため、タンパク質だけを多く摂取したからといって、糖尿病のリスクは上がりません。

 ただし、肉のような脂質の多いタンパク質の場合、摂取量によっては脂質が血糖値を上げてしまうことが多く、注意が必要です。

 また、肉のように脂質が多い食べ物を多く摂取するとカロリー過多になりやすく、その結果、内臓脂肪が増えて体重が増加します。すると、インスリンの効き目が弱くなり糖尿病のリスクが上がります。

 例えば、健康診断で血糖値の数値が高めと指摘された人がタンパク質を摂取するときは、できれば肉ではなく魚や大豆製品を選ぶとよいです。

 なお、糖尿病の人がタンパク質を摂取しても問題ありません。ただし、糖尿病による腎症を発症している場合、その程度によってタンパク制限が必要な場合があります。必ず主治医に確認してください。

(オトナンサー編集部)

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市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

eatLIFEクリニック院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。eatLIFEクリニック(https://eatlife-cl.com/)。

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