「ミスター・ガラス」M・ナイト・シャマラン監督が語る、サスペンスとホラーの違い
映画「シックス・センス」「ヴィレッジ」などでメガホンを取ったM・ナイト・シャマラン監督の最新作「ミスター・ガラス」。このほど、シャマラン監督のオフィシャルインタビューが到着しました。

映画「シックス・センス」「ヴィレッジ」などでメガホンを取ったM・ナイト・シャマラン監督の最新作「ミスター・ガラス」。同作は、フィラデルフィアの施設に、不死身の肉体と悪を感知する力を持つデヴィッド(ブルース・ウィリスさん)、24人の人格を持つケヴィン(ジェームズ・マカヴォイさん)、高いIQと壊れやすい体を持つミスター・ガラス(サミュエル・L・ジャクソンさん)の3人が収容されています。
彼らは自分自身が人間を超える存在だと信じていますが、精神科医はそれが彼らの妄想であることを証明するため、研究を始めますが…映画「スプリット」のその後を描いたサスペンススリラー映画です。
このほど、シャマラン監督のオフィシャルインタビューが到着しました。
サスペンスにコミックブックの要素
Q.映画「アンブレイカブル」は18年前ですが、あの後、彼らがどうなったのか、あなたは時々考えていたのでしょうか。
シャマラン監督(以下敬称略)「考えました。続きを作ることも考えたりしました」
Q.以前にもお聞きしたことですが、どうしてあなたは、暗くて怖い映画を作るのですか。あなた自身は優しくてフレンドリーな人ですよね。
シャマラン「僕はいたずらっ子なんです。人を怖がらせたいんです。僕は従兄弟相手に、よくそれをやってきました。僕は、ミステリーというジャンルが好きです。キャラクターを思いつくと、僕はいつも、『こいつをどうミステリアスに見せられるだろう』と考えます。それが僕の思考回路です」
Q.いつも暗くて怖い物語を語るのはなぜですか。
シャマラン「なぜなのか、僕もわからないんですよね。僕自身はすごく退屈な人ですし。わが家のリアリティー番組を作ったら退屈すぎるだろうと、僕らはいつもジョークを言うほどです。僕の人生は、これら(注:彼の映画で起こること)とはまるきり逆。しかし、それらが僕自身の持つ不安や懸念から来ているとは思いますね。これは僕にとってセラピーなのかも。映画を通じて、僕は、社会や人生において自分が不安に思うことを伝えているのかもしれません。
僕の映画はいつもそうなんです。すごく暗いところから始まりますが、ポジティブな形に変わります。『スプリット』の主人公ケイシー(アニヤ・テイラー=ジョイさん)だって、恐ろしい経験をしますが、最後は、もっと強く、心のバランスが取れた形に終わります。僕の映画にはいつもそんなふうなことが描かれています」
Q.この映画は怖いのでしょうか。
シャマラン「これはサスペンスです。そこに、コミックブックの要素が足されています。ホラーではありません。怖い映画とサスペンスの境目は微妙ではありますが、サスペンスはもっとキャラクターを重視します。サスペンスはそもそも、キャラクターを窮地に陥れるもの。一方で、ホラーは観客を怖がらせることが目的です。僕は、純粋なホラー映画を作ったことはありません」
Q.心を落ち着かせ、クリエイティビティーを高めるために何かされていますか。たとえば、デヴィッド・リンチはTM(瞑想)をされますが。
シャマラン「僕はL.A.に住んでいません。それは一つだと思います。僕は家族とたっぷり時間を過ごしています。僕の家族は、映画作りのことなんてほとんど気にしません。おかげで、地に足がついた生活ができています。心を落ち着かせられるし、普通の視点を忘れないでいられます。僕はアートが好きで、本も好き。常に読書をしています。もちろん、映画も。“栄養”は、いつもたっぷり与えられています。新しく優れたアーティストは、たくさんいます」
映画「ミスター・ガラス」は1月18日公開。
(オトナンサー編集部)
コメント