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冬至に「ゆず湯」に入るのはどうして? いつから始まった習慣? ミカンで代用は?

「冬至」に「ゆず湯」に入るのは、古くからの風習ですが、どうしてなのでしょうか。

冬至にゆず湯はなぜ?(伊豆シャボテン動物公園提供)
冬至にゆず湯はなぜ?(伊豆シャボテン動物公園提供)

 あす12月22日は「冬至」です。日本では昔から、ゆず湯に入ったり、カボチャを食べたりする風習がありますが、なぜ「ゆず湯」なのでしょうか。ゆずと同じかんきつ類で、冬場に多く出回るミカンではダメなのでしょうか。東京ガス都市生活研究所主任研究員の藤村寛子さんに聞きました。

新しい年を前に邪気を払う

Q.なぜ、冬至にゆずをお風呂に入れるのでしょうか。

藤村さん「冬至は、北半球で太陽の高度が一年中で最も低く、また、日の長さが最も短くなる日です。中国では古くから冬至を暦(日本の陰暦)の起点とし、毎年の暦は前年の冬至の日を基準として計算していました。従って、冬至は大変重要な日として、祝う習慣がありました。

日本もその影響を受け、さまざまな風習が生まれました。冬至には、その年の収穫に感謝し、翌年の天候占いをしました。神様への供え物に用いられたカボチャやあずき粥(がゆ)、こんにゃくを食べるなど、各地方で特定の食べ物を食する慣習も残っています。カボチャは栄養価が高く、あずき粥は疲れを取り、おなかがすっきりするとされ、こんにゃくは『胃腸のほうき』ともいわれます。

ゆず湯に入るのも禊(みそぎ)払いの名残という説もありますが、『無病息災で一年を過ごす』という祈りも込められているようです。新しい年を迎えるために邪気を払う禊ぎであるといわれています」

Q.いつごろから始まった習慣でしょうか。

藤村さん「行事として組み込まれたのは、元禄時代の頃で、本草学が流行(はや)って食用・薬用としてゆずの栽培が盛んになった頃からといわれています」

Q.どのような効果が期待できるのですか。

藤村さん「ゆずに含まれる精油成分には、血行を促進する働きがあるといわれています。また、芳香成分には、精神安静やリラックス効果があるとされています。ゆずのリモネンやα-ピネンなどの成分には、抗菌・消炎・血行促進作用があるといわれています。冬に悩まされる冷え、ひび、あかぎれ、風邪に効果があるとされています」

Q.個数や入れ方、入れるタイミングなど、より効果的な方法があれば教えてください。

藤村さん「ゆずの実2~3個をそのまま浴槽に浮かべるだけで、簡単にゆず湯を楽しめます。香りが少ないようなら実の数を多くしてください。皮のみを用いてもよいです。皮や実を切ったり、果汁を絞り入れたりすると肌がピリピリするので注意してください」

Q.ほかのかんきつ類は、代わりに使えないのでしょうか。

藤村さん「ミカン湯も冬至の薬湯として使えます。ミカンは古くから、食用はもちろん、丸い形と黄金色から『太陽の象徴である神聖な植物』とされ、儀式や神棚の供え物などに用いられています。果実はビタミンCが豊富で、寒い時期には風邪を予防し、高血圧、老化防止、美肌効果も期待できます。

薬効を期待してお風呂に使う場合は、果皮を利用してください。だいだい色の部分は精油成分リモネンが含まれ、さわやかな芳香があります」

 ゆず湯を楽しむのは人間だけではありません。静岡県伊東市の「伊豆シャボテン動物公園」では現在、カピバラ9匹が気持ちよさそうに露天風呂に入る姿が見られ、冬至の12月22日からは、ゆず湯になります。

 広報担当者によると「カピバラの露天風呂」は1982年、飼育員がお湯を使って掃除をしていたとき、たまたまできた湯だまりにカピバラが集まっていたことから開始。元々南米の動物で寒がりということもあって、毎冬の恒例行事になったそうです。ゆず湯は1996年から続いています。

 露天風呂は2019年4月7日まで実施。そのうち、ゆず湯は12月22日~31日と1月4日~6日に行われ、午前10時半と午後1時半の1日2回、各回1時間程度見られます。

(オトナンサー編集部)

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