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5年に一度…2025年「国勢調査」実施、もし回答しなかったら罪に問われる!? 法的リスクを弁護士に聞く

国勢調査に回答しなかった場合、法的責任を問われる可能性はあるのでしょうか。弁護士に聞きました。

総務省の公式サイトより
総務省の公式サイトより

 日本に住んでいるすべての人と世帯を対象とした「国勢調査」が、2025年9月20日から同年10月8日まで実施されます。すでに調査書類を受け取った人もいるのではないでしょうか。

 国勢調査は5年に一度行われますが、日本の人口や世帯の実態を明らかにするために行う最も大事な統計調査だとして、国や自治体が必ず回答するよう呼び掛けています。国勢調査は「ネットで回答サイトにアクセス」「調査書類を郵送」「調査書類を調査員に提出」のいずれかの方法で回答が可能で、ネットでの回答期間は9月20日から10月8日まで、調査書類での回答期間は10月1日から同月8日までです。

 ところで国勢調査について、SNS上では「国勢調査に回答しないとどうなるの?」「国勢調査の書類が届いたんだけど、回答しないと罰則?」「国勢調査は特に罰則もないので回答しなくてもいい」など、さまざまな声が上がっています。国勢調査への回答は法律で義務付けられているのでしょうか。もし期限までに回答しなかった場合、法的責任を問われる可能性はあるのでしょうか。佐藤みのり法律事務所の佐藤みのり弁護士に聞きました。

国勢調査への回答は統計法で義務付けられている

Q.そもそも、国勢調査とはどのような調査なのでしょうか。

佐藤さん「国勢調査とは、統計法に基づいて行われる『日本に住むすべての人と世帯(外国人も含む)が対象の5年に一度の最も重要な統計調査』です。

調査事項は、『世帯員に関する事項』として、氏名、男女の別、出生の年月、世帯主との続柄、配偶の関係、国籍、現在の住居における居住期間、5年前の住居の所在地、就業状態、所属の事業所の名称および事業の種類、仕事の種類、従業上の地位、従業地または通学地、『世帯に関する事項』として、世帯の種類、世帯員の数、住居の種類、住宅の建て方となります。

こうした情報を調査することにより、国内の人および世帯の実態を把握し、国や自治体が防災計画を立てたり、生活環境を改善したりするなど、さまざまな行政施策に役立てられます。また、企業や各種団体における需要予測や経営管理などを行うための活用や、学術・研究機関における研究のための活用など、幅広く活用されています。国勢調査が初めて行われたのは1920年であり、2025年の調査は22回目に当たります」

Q.国勢調査への回答は法律で義務付けられているのでしょうか。もし期限までに回答しなかった場合、法的責任を問われる可能性はありますか。

佐藤さん「国勢調査への回答は、統計法によって義務付けられており(同法13条2項―報告義務)、報告を拒んだり、虚偽の報告をしたりすると『50万円以下の罰金』に処される可能性があります(統計法61条1号)。

先述したように、国勢調査は非常に重要な統計調査であり、正しい行政を行う前提として、正確な統計を取る必要があります。そのため、日本に住むすべての人から漏れなく正確な回答をしてもらうため、罰則付きで報告を義務付けています」

Q.国勢調査に回答しなかったり、虚偽の内容を回答したりしたことで罰金を科されるケースは多いのでしょうか。

佐藤さん「国勢調査に回答しなかったり、虚偽の内容を回答したりしたことにより、起訴された事例は、私が調べた限りなく、国勢調査に協力しなかったことにより、実際に刑事責任を問われる可能性は低いと言えるでしょう。

とはいえ、一人一人が調査に協力しないと、正確な統計を取ることができず、ひいては実態に合わない防災計画が作られてしまうなど、私たちの暮らしにも悪影響が及ぶ危険があります。法で義務化されている意味を理解し、調査に協力することが大切です」

Q.国勢調査の際に誤った情報を回答した場合、法的責任を問われる可能性はあるのでしょうか。

佐藤さん「虚偽であることを認識せずに、うっかり事実と異なる情報を回答した場合は、故意がなく、罪に問われる可能性はありません」

(オトナンサー編集部)

【要注意】「えっ…」 これが「国勢調査」を装った“詐欺事例”です!

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佐藤みのり(さとう・みのり)

弁護士

神奈川県出身。中学時代、友人の非行がきっかけで、少年事件に携わりたいとの思いから弁護士を志す。2012年3月、慶応義塾大学大学院法務研究科修了後、同年9月に司法試験に合格。2015年5月、佐藤みのり法律事務所開設。少年非行、いじめ、児童虐待に関する活動に参加し、いじめに関する第三者委員やいじめ防止授業の講師、日本弁護士連合会(日弁連)主催の小中高校生向け社会科見学講師を務めるなど、現代の子どもと触れ合いながら、子どもの問題に積極的に取り組む。弁護士活動の傍ら、ニュース番組の取材協力、執筆活動など幅広く活動。女子中高生の性の問題、学校現場で起こるさまざまな問題などにコメントしている。

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