「運転手さんに怒られるよ」「先生が言ってたよ」 発達障害児を育てる母が《他力本願のしつけだって悪くない》と考えるようになった理由
夫婦間でも「他人の声」は有効
しつけだけではなく、就学や進路の場面でも同じことが言えるのではないでしょうか。
特別支援学級(支援級)にするか、通常学級にするかで、夫婦でもめる家庭は少なくありません。妻が「支援級に入れた方が本人のため」とどれだけ訴えても、夫は「そんなことをしたら伸びる力も伸びない」と聞く耳を持たない――。なぜかというと、夫は妻を“素人”と見ているからです。
こういうときも、学校の支援員や自治体の就学相談の担当者など、第三者から「お子さんには支援級が合っていると思いますよ」と伝えてもらうと、夫は案外すんなり受け入れることがあります。
「専門家からの言葉なら納得できる」「妻ではなく“他人”の意見なら受け入れられる」。理屈ではなく、感情の問題なのかもしれません。
理想を言えば、親の言葉だけで子どもに善悪や社会的ルールを教え、納得させられるのがベストです。でも、すべてがうまくいくわけではありません。子どもが親の言葉を受け入れられないとき、誰か他の人の言葉の方が響くとき、「責任転嫁」や「他力本願」と言われようと、それを使ってもいいと私は思います。
親が伝えたいことを、少しでも子どもの中へ届けるために。必要なら、第三者の力を借りていい――。
「運転手さんに怒られるよ」「先生が言ってたよ」「病院の先生が言うにはね」。そんな言葉を上手に使いながら、私はこれからも子育てを続けていきたいと思っています。
(子育て本著者・講演家 立石美津子)









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