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「運転手さんに怒られるよ」「先生が言ってたよ」 発達障害児を育てる母が《他力本願のしつけだって悪くない》と考えるようになった理由

夫婦間でも「他人の声」は有効

 しつけだけではなく、就学や進路の場面でも同じことが言えるのではないでしょうか。

 特別支援学級(支援級)にするか、通常学級にするかで、夫婦でもめる家庭は少なくありません。妻が「支援級に入れた方が本人のため」とどれだけ訴えても、夫は「そんなことをしたら伸びる力も伸びない」と聞く耳を持たない――。なぜかというと、夫は妻を“素人”と見ているからです。

 こういうときも、学校の支援員や自治体の就学相談の担当者など、第三者から「お子さんには支援級が合っていると思いますよ」と伝えてもらうと、夫は案外すんなり受け入れることがあります。

「専門家からの言葉なら納得できる」「妻ではなく“他人”の意見なら受け入れられる」。理屈ではなく、感情の問題なのかもしれません。

 理想を言えば、親の言葉だけで子どもに善悪や社会的ルールを教え、納得させられるのがベストです。でも、すべてがうまくいくわけではありません。子どもが親の言葉を受け入れられないとき、誰か他の人の言葉の方が響くとき、「責任転嫁」や「他力本願」と言われようと、それを使ってもいいと私は思います。

 親が伝えたいことを、少しでも子どもの中へ届けるために。必要なら、第三者の力を借りていい――。

「運転手さんに怒られるよ」「先生が言ってたよ」「病院の先生が言うにはね」。そんな言葉を上手に使いながら、私はこれからも子育てを続けていきたいと思っています。

(子育て本著者・講演家 立石美津子)

【画像】「えっ…?そうだったの……?」 これが「発達障害児」にみられることのある行動です(5つ)

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立石美津子(たていし・みつこ)

子育て本著者・講演家

20年間学習塾を経営。現在は著者・講演家として活動。自閉症スペクトラム支援士。著書は「1人でできる子が育つ『テキトー母さん』のすすめ」(日本実業出版社)、「はずれ先生にあたったとき読む本」(青春出版社)、「子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方」(すばる舎)、「動画でおぼえちゃうドリル 笑えるひらがな」(小学館)など多数。日本医学ジャーナリスト協会賞(2019年度)で大賞を受賞したノンフィクション作品「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」(中央公論新社、小児外科医・松永正訓著)のモデルにもなっている。オフィシャルブログ(http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/)、Voicy(https://voicy.jp/channel/4272)。

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