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「今の自分で十分」と音読すれば“自己肯定感”UP 精神科医が主張するワケ

自己肯定感を高める方法について、コラムニストが精神科医の著書を基に解説します。

自己肯定感を高めるには?
自己肯定感を高めるには?

 自己肯定感が低いことが原因で仕事や私生活がうまくいかず、悩んでいる人は多いのではないでしょうか。そこで、今回はYouTubeやメールマガジンなどで情報発信を行う、精神科医で作家の樺沢紫苑さんの著書「朝夜3分、書くだけで癒やされる 書き込み式 写文セラピー練習帳」(幻冬舎)を紹介します。本書には、自己肯定感を高めるためのヒントが詰まっています。

まずは自分を認める勇気を持つこと

 樺沢さんは、自己肯定感を高めるには、まず自分で自分を信頼するというトレーニングを始めることが大切だと本書で説いています。そのためには、今の自分を見つめ直し、そのままの自分を受け入れる必要があるということです。樺沢さんは具体的なトレーニング方法について、次のように紹介しています。

朝日が窓から差し込む静かな部屋で、あなたは目を閉じて深呼吸をします。今日から始まる「心のジム」の第一週。テーマは「自己肯定感」。現代社会を生き抜くための心の基盤です。最初のトレーニングは、毎朝の声出し練習です。

「今の自分で十分だ」という言葉を鏡の前で3回、はっきりと自分自身に語りかけます。この単純な行為が、日々のプレッシャーに押しつぶされそうになる心に、静かな強さを与えてくれるのです。

せわしない日常の中で、私たちは常に「もっと頑張らなければ」「もっと良くならなければ」というプレッシャーにさらされています。しかし、立ち止まって考えてみてください。完璧な人間などこの世に存在しません。だからこそ、「今の自分で十分だ」と自分を認める勇気が必要です。

音読は単なる言葉の発声ではありません。「この世界でたった一人の存在である自分を、ありのままに受け入れよう」-この言葉を声に出すとき、あなたの脳は自己肯定のメッセージを受け取り、少しずつ思考パターンを変化させていきます(樺沢さん)

自分の最大の味方は自分自身

 社会では評価され、他人と比較され、時に厳しい目で見られることがあります。失敗すれば責められるかもしれません。しかし、そんな時こそ、自分の最大の味方は自分自身であることを意識することが大切です。なぜなら、競争社会でたとえ誰からも認められない状況であっても、自分だけが自身を支持することができるからです。

 樺沢さんは「今の自分で十分だ」という言葉は、単なる慰めではなく、日々のプレッシャーの中で自分を支える、強力な自己肯定の言葉だと主張します。そして、「今の自分で十分だ」と声に出して読んだら、その言葉を紙に書いて読み返すことが大切だということです。こうすることで、この言葉が心に刻まれます。

 同時に、「私はダメだ」「もっとできるはずなのに」といった自分を否定する言葉を意識的に手放していく必要があるといいます。このような実践だけで、驚くほど自己肯定感が高まっていくということです。

「今の自分で十分だ」は成長を諦める言葉ではない

 多くの人は「今の自分で十分だ」という言葉を「成長を諦める」という意味に誤解しがちですが、それは違います。今の自分を認めることで、むしろ次のステップへの足がかりとなり、エネルギーを蓄えることができるのです。自分を受け入れることで、無理なく、自然と成長できる土台が作られていくと、樺沢さんは本書で説明しています。

 自己肯定感は、仕事にも、人間関係にも、そして何より自分自身の幸福感にも大きく影響する、人生を変える力となるでしょう。あなたもこの科学的に証明された”心のトレーニング”で、最高の自分に生まれ変わりませんか。

(コラムニスト、著述家 尾藤克之)

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尾藤克之(びとう・かつゆき)

コラムニスト、著述家 尾藤克之

コラムニスト、著述家。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。代表作として『頭がいい人の読書術』(すばる舎)など21冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も絶賛公開中。

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