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ついついやっちゃう「ずっこけ座り」 実は背中&腰回りに“悪影響” 柔道整復師に改善方法を聞いた

背中や腰回りに悪影響を及ぼす「ずっこけ座り」。クセになりやすい原因や気をつけたいことを柔道整復師に聞きました。

「ずっこけ座り」のイメージ
「ずっこけ座り」のイメージ

 壁や椅子の背もたれなどに、体をすべて預けて、腰や尻が背もたれよりも前に出た状態で座る「ずっこけ座り」。背中や腰回りに悪影響を及ぼす「ずっこけ座り」なのですが、自宅や職場、飲食店などでついついやってしまう人も多いのではないでしょうか。そんな「ずっこけ座り」について、クセになりやすい原因や気をつけたいことを柔道整復師で、匡正堂齋藤整骨院 永福・院長の齋藤洋一郎さんに聞きました。

姿勢の矯正、適度な運動でケア

Q.ついつい「ずっこけ座り」になってしまう原因として、どのような事が考えられますか?

齋藤さん「原因として、『体に合わない椅子の使用』と『運動不足』の2つが考えられます」

●体に合わない椅子の使用

ソファなどのやわらかい椅子に座っていたり、姿勢が保ちにくい車の座席に座っている時間が長くなることで、骨盤が後ろに倒れて丸まった状態に。その座り方が通常の状態と脳が認識することで、デスクチェアなどに座ったときも自然と『ずっこけ座り』になってしまうケースがあります。

●運動不足

運動不足によって、筋肉や関節からくる情報が脳に正しく届かず、筋肉の収縮を正常にコントロールできなくなるケースです。運動の習慣がなく常に座りっぱなしの状態が長い人は、脳が筋肉を正しく調節できず、痛みが出やすくなってしまいます。

Q.「ずっこけ座り」が腰痛につながる理由を教えてください。

齋藤さん「仙骨(脊椎の下部、骨盤の上方後部に位置する逆三角形の骨)が、左右の腸骨(骨盤を構成する骨で四肢動物の腰帯の一部のこと)の間に収まっている状態が正常なのですが、『ずっこけ座り』をすると仙骨から腸骨を離す力が働き、腰痛を引き起こす原因になります」

Q.「ずっこけ座り」をしないために注意すべきことを教えてください。

齋藤さん「まず、『腰当て』を使ってみてください。また、柔らかいソファや背もたれが安定しない椅子に座るときは、クッションや丸めたブランケットを腰の後ろに当てて座るようにしてください。力を入れなくても正常な腰のカーブが保たれ、骨盤を正しい位置にキープしておくことができます。

それと、『適度に歩く』ことも重要です。運動不足の人は仙骨と腸骨をつなぐ『仙腸関節(せんちょうかんせつ)』が不安定になりやすくなっています。仙腸関節とは、骨盤の仙骨と腸骨の間にある関節で、上半身の体重を支え、下半身の衝撃を吸収する役割があります。ウオーキングなど歩くことで下から力が加わって安定し、仙腸関節が正しく機能するため、通勤の際に利用する駅のひと駅前から歩いたり、ウォーキングを習慣づけましょう。

正しい歩き方ができていないと反り腰や受け腰の人は悪化させてしまうこともあるので、背筋を伸ばしてゆっくりと、正しい姿勢で歩くことを意識しましょう。

背中の筋肉を使うと脳の働きもよくなり、体全体の動きが活性化されます」

※ ※ ※

「ずっこけ座り」が習慣化して骨盤にダメージを与えてしまうと、腰の痛みは悪化して長く座っていられない状態になることも。背筋を伸ばして正しく座る工夫をしながら、姿勢を意識したウォーキングを取り入れるようにしましょう。

(オトナンサー編集部)

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齋藤洋一郎さん(さいとう・よういちろう)

匡正堂齋藤整骨院 永福・院長

山野医療専門学校で柔道整復学を学び、2012年に柔道整復師の免許を取得後、修行を経て2023年、匡正堂齋藤整骨院 永福本院の院長に。背筋へのアプローチを中心とする民間療法“匡正術”を軸に、構造医学、神経機能訓練(FNT)を取り入れ施術を行っている。構造医学正規講座受講会員、FNTレベル2認定トレーナー。

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