オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

こんなにお得! 始めてみよう「ふるさと納税」

「ふるさと納税」という言葉を聞いたことがありますか? 「納税」と聞くと、「税金は納めたくない」と感じてしまう人も多いかもしれませんが、このふるさと納税、たった2000円の実質負担で各地の特産品がもらえるお得な制度なのです。その仕組みを解説します。

「ふるさと納税」とは

 「ふるさと納税」は、自治体に寄付をすることで住民税や所得税が控除(減額または還付)される制度です。「ふるさと」というネーミングですが、寄付先は出身地に限らず、全国約1800の自治体から自由に選ぶことができます。2008年、都市と地方の税収格差を小さくし、地方活性化を図る目的でスタートしました。

 その中で、ふるさと納税をしてくれた住民以外の人に、お礼の品(返礼品)を提供する自治体も現れました。例えば、A市に住む人がふるさと納税制度を使って、特産品をプレゼントしてくれるB町に3万円を寄付した場合、そのうち2000円を超える2万8000円分が、住民税や所得税から差し引かれることになります。

 つまり、最初に3万円を負担しなければなりませんが、後から2万8000円の税金が減額、もしくは還付されるため、わずか2000円の自己負担でB町の特産品がもらえることになります。

※2000円の自己負担のみで済む寄付の上限額は、年収や家族構成などにより変動。例えば、年収300万円で独身の場合、3万1000円までの寄付であれば自己負担は2000円で済みますが、3万1000円を超えた場合、超過分を自己負担。

全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安(単位:円)

 当初は認知度が低く、返礼品を用意していない自治体も多かったことから、寄付者数も金額も低調だったふるさと納税ですが、2011年に東日本大震災が発生し、被災地支援の手段として一気に注目度が高まりました。2012年は寄付者数・金額ともに減少しましたが、2013年以降、返礼品として地元特産品などを送る自治体が増えたことから、再びブームを呼んでいます。

1 2 3 4 5 6 7 8

八木橋泰仁(やぎはし・やすひと)

税理士法人ファシオ・コンサルティング代表(東京税理士会麹町支部所属)

税理士・行政書士・日本FP協会CFP®認定者・1級FP技能士、事業承継協議会会員、日本社会保障法学会会員、日本労働法学会会員 、TKC全国会会員。専修大商学部会計学科を卒業後、大手金融機関勤務を経て開業。社会人時代に筑波大学大学院経営政策科学研究科企業法学専攻にて法学修士を取得。法人・個人事業主の税務・会計顧問を中心に経営全般の課題解決を支援する「経営支援サービス」を提供している。役職員数16名。著書に「小規模介護事業者のための会計実務」(厚有出版)、共著に「一問一答事業承継の法務」(東京第二弁護士会編・経済法令研究会)がある。他に雑誌等への掲載多数。中小企業の税務・会計と経営支援、相続・事業承継、ファイナンシャルプランニングが得意分野。税理士法人ファシオ・コンサルティング(http://fasio.biz/)。

コメント