トイレの便器、ベストな掃除タイミングは? 効果的に汚れ落とす方法をハウスクリーニングアドバイザーに聞く
トイレの便器は月に何回程度、掃除をするのが望ましいのでしょうか。汚れを放置した場合のリスクなどについて、ハウスクリーニングアドバイザーに聞きました。
トイレの便器は、使っていくうちに汚れがたまるため、定期的な掃除が必要です。ただ、「忙しい」「掃除が面倒」といった理由でついさぼってしまう人は多いのではないでしょうか。
便器は月に何回程度、掃除をするのが望ましいのでしょうか。汚れを放置した場合のリスクや汚れを効果的に落とす方法などについて、ハウスクリーニングアドバイザーの有賀照枝さんに聞きました。
週に1回は清掃を
Q.トイレの便器は月に何回程度、掃除をすべきなのでしょうか。掃除の目安も含めて、教えてください。
有賀さん「見た目はきれいに見えても、尿の細かな飛び散りなど見えにくい汚れが意外と付着しているため、できれば毎日、掃除をするのが理想的です。ただ、毎日は難しいと思いますので、できれば週1回程度、便器の内側だけでも掃除ができるとよいかと思います。
トイレトレーニング中の小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では、便器の外側が汚れてしまうことがあると思います。状況に応じて、都度拭き掃除も行ってください。また、掃除の回数を決めなくても、『便器内に汚れが付いてきたな』と感じたら、汚れが広がってしまう前に都度掃除をするとよいでしょう。
家族構成やトイレの使用回数、使い方、便器のコーティング加工などによって便器の汚れ具合が変わってくるため、あくまで目安としていただき、状況に応じて掃除をしてください」
Q.では、便器を1週間以上掃除しなかった場合、どのようなデメリットが生じる可能性があるのでしょうか。また、便器に付いた汚れを放置した場合はいかがでしょうか。
有賀さん「使用状況などによっては、1週間以上掃除をしなくても、見た目はきれいな状態を保てるケースがあります。ただ、多くの場合は便器内に汚れがたまっていき、臭いがどんどんきつくなっていきます。さらに掃除をしない期間が長引くと、トイレの衛生環境が悪くなり、入るのにも気が引けるようになってしまうでしょう。また、自宅に客を招いたときにその人がトイレを使用した場合、あまりよい印象を持たない可能性も大いに考えられます。
便器に付いた汚れを放置すると、汚れを落とすために手間と時間がかかってしまいます。便器内に水あかをはじめ臭いの元にもなる尿石やカビ、雑菌がどんどん繁殖していきます。そうなると、小まめに掃除していたときには使わなくてもよかった洗剤、例えば、塩素系洗剤(アルカリ性)や酸性洗剤の出番が増えるほか、さらにハウスクリーニング業者などに頼まないと落とせない頑固な汚れになるケースも考えられ、出費が増えます。
一度付いてしまった強烈な臭いは、そう簡単に落とせるものではないため、できるだけ小まめな掃除を心掛けたいところです」
Q.便器の汚れを効果的に落とす方法について、教えてください。
有賀さん「便器の汚れをためないためには、小まめに掃除するのが一番です。今は便利な市販のトイレ用洗剤も種類が豊富です。便器をトイレブラシでこすらなくても、洗剤をスプレーなどで吹きかけておくだけで汚れを落とす洗剤のほか、便器に汚れが付きにくいように簡単なコーティングをしてくれる洗剤があるので、活用してみるとよいでしょう。
また、縁や凹凸があるデザインの便器もあるため、トイレブラシを選ぶ際に汚れやすい場所に届く形状かどうかも確認してみてください。
しかし、そうはいっても、なかなか普段から便器の縁裏部分など細かな部分は掃除がしにくく、手が届きにくいものです。そこで、便器内に汚れがたまった場合、トイレットペーパーを汚れた部分に貼った後、汚れに効果のある洗剤を使って湿布してしばらく放置しましょう。そうすると汚れが緩むため、トイレブラシなどで落としてください。黒ずんだカビ汚れには塩素系洗剤を、黄ばみや尿石には酸性洗剤をそれぞれ使いましょう。
塩素系洗剤と酸性洗剤を同時に使うと有毒ガスが発生し危険なので、必ず使用上の注意をよく読んでから使ってください」
Q.便器の掃除の際に使ってはいけない物について、教えてください。
有賀さん「便器の素材のほとんどは陶器製で、見た目は分かりにくいですが表面に凹凸があり、汚れが付きやすい構造をしています。近年はメーカーの技術が進み、汚れが付きにくいコーティング加工が施されているケースがほとんどですが、間違った方法で掃除をすると、そのコーティング加工が剥がれて逆に汚れが付きやすくなってしまい、掃除の頻度や手間が増えてしまう可能性があります。
そうした理由から、金属製のたわしやブラシなど硬い物のほか、メラミンスポンジや粉末クレンザー、磨き粉など研磨力が強い物の使用を避けた方がよいでしょう。シンナーやベンジンといった溶剤も使用しないようにしてください。
お使いのメーカーや型番などによっては、塩素系洗剤や酸性洗剤が使えない場合があります。掃除をする前に、どのような洗剤や用具が使えるのかを取扱説明書で事前に確認するのをお勧めします。また、雑菌が繁殖したトイレブラシで便器を掃除すると、かえって便器内に汚れを広げてしまいます。使ったらよく水を切って乾かすなど、トイレブラシのメンテナンスにも注意を払ってください」
(オトナンサー編集部)
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