居酒屋で出される「お通し」、食べなくても支払い義務はある?
トラブルを防ぐためにできることは?
Q.お通し代のトラブルを防ぐために、店側と客側のそれぞれが気を付けるべきことは何でしょうか。
牧野さん「お店側は、お客さんへの事前の料金説明が必要です。酔っ払えば、どうせ何も言わないだろうという姿勢は避けるべきです。アルコールを一滴も飲まずに、付き合いで居酒屋に行く冷静な方もいるので、そうした意味でお店側も注意が必要です。
お客さん側としては、お通しの値段を確認して、もし有料で出されたお通しが値段につり合わない内容であれば、すぐに断る勇気も必要です。商談やデートで飲みに行く時に、そこまでやるとシラケてしまうかもしれませんが、提供されてすぐに断れば、法的な支払い義務は生じません。
なお、同様のトラブルとして『ミュージックチャージ(演奏料)』があります。ホテルなどのラウンジで、生演奏や生ボーカルが流れて『無料で生演奏、これは得をしたな。良いお店だなあ』と思ったのもつかの間、支払い時に1人あたり数千円のミュージックチャージを請求されることがあります。これも、お客さんの同意を得ていない場合には、法的に支払いを強制することは難しいと言えます。
ただし、お通しの場合はすぐに受け取りを拒否できますが、演奏の場合はその場を立ち去るしかありません。演奏が始まってすぐにその場を立ち去ることは、ラウンジで飲食中のお客さんにとって現実的ではありませんから、ミュージックチャージの支払い拒否は、実質的には難しいので、お客さんの同意が必要と言えるでしょう」
(ライフスタイルチーム)
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