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居酒屋で出される「お通し」、食べなくても支払い義務はある?

トラブルを防ぐためにできることは?

Q.お通し代のトラブルを防ぐために、店側と客側のそれぞれが気を付けるべきことは何でしょうか。

牧野さん「お店側は、お客さんへの事前の料金説明が必要です。酔っ払えば、どうせ何も言わないだろうという姿勢は避けるべきです。アルコールを一滴も飲まずに、付き合いで居酒屋に行く冷静な方もいるので、そうした意味でお店側も注意が必要です。

お客さん側としては、お通しの値段を確認して、もし有料で出されたお通しが値段につり合わない内容であれば、すぐに断る勇気も必要です。商談やデートで飲みに行く時に、そこまでやるとシラケてしまうかもしれませんが、提供されてすぐに断れば、法的な支払い義務は生じません。

なお、同様のトラブルとして『ミュージックチャージ(演奏料)』があります。ホテルなどのラウンジで、生演奏や生ボーカルが流れて『無料で生演奏、これは得をしたな。良いお店だなあ』と思ったのもつかの間、支払い時に1人あたり数千円のミュージックチャージを請求されることがあります。これも、お客さんの同意を得ていない場合には、法的に支払いを強制することは難しいと言えます。

ただし、お通しの場合はすぐに受け取りを拒否できますが、演奏の場合はその場を立ち去るしかありません。演奏が始まってすぐにその場を立ち去ることは、ラウンジで飲食中のお客さんにとって現実的ではありませんから、ミュージックチャージの支払い拒否は、実質的には難しいので、お客さんの同意が必要と言えるでしょう」

(ライフスタイルチーム)

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牧野和夫(まきの・かずお)

弁護士(日・米ミシガン州)・弁理士

1981年早稲田大学法学部卒、1991年ジョージタウン大学ロースクール法学修士号、1992年米ミシガン州弁護士登録、2006年弁護士・弁理士登録。いすゞ自動車課長・審議役、アップルコンピュータ法務部長、Business Software Alliance(BSA)日本代表事務局長、内閣司法制度改革推進本部法曹養成検討会委員、国士舘大学法学部教授、尚美学園大学大学院客員教授、東京理科大学大学院客員教授を歴任し、現在に至る。専門は国際取引法、知的財産権、ライセンス契約、デジタルコンテンツ、インターネット法、企業法務、製造物責任、IT法務全般、個人情報保護法、法務・知財戦略、一般民事・刑事。

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