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東映・天野和人Pが語る “ヤクザ映画”の魅力と今後の可能性

「仁義なき戦い」などで、日本のヤクザ映画をリードしてきた東映。昨今、あまり公開されなくなる中、きょう公開の「孤狼の血」は貴重な存在と言えるかもしれません。東映の天野和人プロデューサーに取材しました。

東映の天野和人プロデューサー
東映の天野和人プロデューサー

 映画「仁義なき戦い」を筆頭に、ヤクザ映画で日本映画をけん引してきた東映。時代の変化からか、映画館での上映は少なくなり、Vシネマや北野武監督作品を除けば、あまり公開されなくなりました。しかし「仁義なき戦い」をベースにした映画「孤狼の血」が、きょう5月12日から公開されます。

 オトナンサー編集部では、東映の天野和人プロデューサーにインタビューを実施。今、ヤクザにスポットを当てた作品を制作する意味や、ヤクザ映画の魅力を聞きました。

ヤクザ映画というより、ヒーローもの

Q.東映におけるヤクザ映画の位置付けを教えてください。

天野さん「現在はジャンルとしてもなく、正直全然作っていません。東映はヤクザ映画を作るべきだとの声もありますが、暴対法が作られ、実録風のヤクザ映画をやってもリアルじゃありません。北野武監督作品のように、ファンタジーのようにすれば別ですが。他の会社もやらないし、弊社でもやろうとしたら『え?』と言われました」

Q.「孤狼の血」の映画化の経緯はどのようなものでしょうか。

天野さん「現在は、ヤクザの事務所は看板もかけられませんが『孤狼の血』の舞台は昭和63年で、暴対法ができる前です。バブル直前のタイミングで、ヤクザもわかりやすい格好で歩いていました。せっかく映画化するなら、スターをそろえてやりたいと思いました。役所広司さんが『やります』と言った時点で、社内外の評価が高まっていきました。ゼロから新しいことを始めるつもりで、昔のヤクザ映画を蘇らせるつもりはなかったです。

『孤狼の血』はヤクザ映画というより刑事物、ヒーローものですね。形を変えたヒーローというか、アンチヒーローというか、ダークヒーローというか。日本人にとっては分かりやすいと思います。現代を舞台にしたら法を逸脱できませんが、『昔ならこういう人いたよね』と納得してもらえると思います」

Q.続編の可能性はありますか。

天野さん「僕らは、続編を作りたいと思っていますし、白石和彌監督も同じ思いじゃないでしょうか。松坂桃李くんも劇中で使ったライターを持って帰って『続編までに経年変化させておきますよ』と言ってくれています。お客さんが支持してくれれば、続編も作れるかなと思います」

Q.今後、ヤクザ映画を制作する可能性はあるのでしょうか。

天野さん「他社さんも含めて『孤狼の血』を映画化したことで、まだこういうジャンルもあると思ってもらえたと思います。現代を舞台にするのはなかなか難しいと思いますが、毎回古い時代を舞台にするわけにはいかないし、現代でやれる方法論を見つけないとダメだと思います」

Q.改めて、ヤクザ映画の魅力について教えてください。

天野さん「任侠映画の場合は、主人公がブレないところだと思います。映画の主人公は、成長と堕落を体験します。任侠映画は、最初から『できた男』で最後まで『できた男』で終わるという、成長しない映画なんですよ。そういう意味でブレない、変わらない。強さというか精神性ですね。女に手を出さない、曲がったことをしない、命を預けた親分に尽くす。ブレないのは人として格好良いじゃないですか」

(エンタメチーム)