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松坂桃李、30代は「扉の色を塗っていきたい」 映画「孤狼の血」では新米刑事に

自分の“枠組み”なくしたい

(左から)松坂桃李さん、白石和彌監督
(左から)松坂桃李さん、白石和彌監督

Q.無茶振りなどはされませんでしたか。

松坂「濡れ場っぽいシーンの時、毎回茶化すのをやめてくれと思いました(笑)無茶振りというか『それくらいできるよね』とか妙なハードルの上げ方をされましたね」

白石「服を脱がす役で、桃李君の右に出る者はいないですから(笑)」

Q.昭和の終わり頃を知っている人たちに会って、インスパイアはありましたか。

松坂「世の中への抗い方は今とちょっと違うような、僕らの世代にはなかなかないと感じました。反骨精神だったり、打たれ強さだったりとか」

白石「昭和の終わりを僕はギリギリ見られていました。舞台設定がうまいと思うのは暴対法成立前というところ。昭和63年というのに意義があるなと思いました。それを知った時、アメリカンニューシネマだと思いました。日岡が、ガミさんと同じようなやり方をやっていくんだろうけど、それはいつまでも続かないよねというのが、伝わる人には伝わる哀愁だろうなと思いました。

それがあったからできたというのはすごいありますね。『仁義なき戦い』の根幹は戦争であり、国民全員が等しく貧しくなり、国土も焦土になり、そこから暴力が始まり、平等からスタートしているけど、この街はそうじゃないぞという核を探さなければならなくて、63年という時代でした」

Q.好きなシーンはどこでしょうか。

松坂「僕はこの映画の1発目のシーンが好きです。あれで『孤狼の血』の入り口を教えてくれるような、見ていてワクワクするじゃないですか。1シーン目でこれが来るんだ、これ以上あるの、という感じが好きです」

白石「ロケハンが好きで、車から見ていたらカキいかだがあって、あのいかだを撮影したいと思って脚本見ていたら、良いシーンがありました。地元の漁師の方が全面的に手伝ってくれて、せっかくだから桃李君にカキを食べてもらおうと思ったら、食べてはいけない時期でした」

松坂「そのシーンでピエール瀧さんと一緒なのですが、そこに案内してくれた方も漁師さんで、とても良い人でした」

白石「あの時、瀧さんが『監督は知らないかもしれないけど、俺泳げないからね。なんでここにしたんだ』と言って、泳げないことを初めて知りました」

Q.アウトローな男の色気はどうやって出しているのでしょうか。

白石「あんまり意識はしていませんが、ヤクザだろうが男だろうが女だろうが、怖い部分があればその振り子の部分もあるので、それが見せられるタイミングがあれば見せたいと思っています。かっこいい部分だけでなく滑稽(こっけい)に転んだり、悲しく転んだりする瞬間に、隙があれば突っ込もうと意識的にしています。

それがつながっているかは自己分析しきれていませんが、もしかしたら、そういうことかなと思っています。桃李君も役所さんもかっこいいけど、滑稽なところも写したいし、それがキャラクターとしての、一人の人間の造形につながっていくのかなと思っています。日岡は前半、ガミさんに振り回されていますよね。ボコボコにされたり。振り回されれば振り回されるほど、後半ワクワクすると思います」

Q.松坂さんは、面白そうな役であればどんなものでもやりそうなイメージがあるのですが、実際はどうなのでしょうか。

松坂「自分の中で枠組みはなくしていきたいと思っており、満遍なくいろいろな役が来るのはありがたいことなので、ワクワクを見いだしてやっていきたいと思っています」

Q.脚本よりも役柄を重視ということでしょうか。

松坂「やっぱり脚本が大きいかもしれませんね」

Q.白石監督が、松坂さんは脚本や作品を選ぶ目が鋭いとおっしゃっていました。

松坂「いやいや、まだまだです(笑)」

Q.今回は、ボコボコにされるなど結構珍しい役柄でしたね。

松坂「気持ちよくボコボコにされていました(笑)」

Q.20代はいろいろな役をやって、いろいろな扉を開いていくとおっしゃっていましたが、30代はどのような挑戦をしたいですか。

松坂「基本的に、自分の中での目標はないですね、20代後半でいろいろな役を演じさせていただいたおかげで、自分の中の新しい扉を見つけることができました。30代は扉の色を塗っていきたいですね」

Q.映画を楽しみにしている方、松坂さんのファンの方にひと言お願いします。

松坂「期待以上の作品になっているはずです。帰りはお酒が飲みたくなると思うので良い酒を飲んでください」

(エンタメチーム)

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