7月期ドラマは人気脚本家ずらり! 「HERO」福田靖の新作「オールドルーキー」 「大豆田~」坂元裕二&「家政婦のミタ」遊川和彦の新作も
ドラマファン待望。脚本家・坂元裕二の新作ドラマ「初恋の悪魔」
7月16日スタートの「初恋の悪魔」(日本テレビ系、毎週土曜 後10:00)は、来期最も注目されているといっても過言ではありません。本作は、1990年代恋愛ドラマの金字塔といわれる「東京ラブストーリー」(フジテレビ系)や、「カルテット」(TBS系)、映画「花束みたいな恋をした」などで知られる坂元裕二さんの書き下ろしドラマ。ヒット作を世に送り続ける坂元さんはドラマファンから根強い人気を誇っているだけに、必然と期待値も上がっています。
“坂元裕二脚本”の真骨頂ともいえるのが、面倒くさいけど憎めない登場人物たちの軽妙な会話劇。昨年の「大豆田とわ子と三人の元夫」(カンテレ・フジテレビ系)にも、松たか子さん演じるバツ3の主人公・とわ子と、モテすぎて女性とのトラブルが耐えなかったり、とにかく器が小さかったり、妙に理屈っぽかったりと、それぞれに難ありの元夫たちが登場しました。
彼らの何気ない日常が淡々と描かれていくこのドラマで、特に記憶に残っているのが、とわ子の「人生に失敗はあったって、失敗した人生なんてないと思います」というセリフ。他人から見て面倒くさい人、それは視点を変えると“生きづらさ”を抱えている人でもあります。そんな人たちの生き様を丁寧に描き、最後にまるっと肯定した坂元さんの物語は、多くのドラマファンをうならせました。
「初恋の悪魔」もまた、こじれた事情を抱える訳ありの警察署員4人が友情や恋を育みながら難事件に向き合っていくミステリアスコメディーです。林遣都さんと、仲野太賀さんという2007年公開の映画「バッテリー」で共演以来、プライベートでも仲の良い実力派の二人がダブル主演を務めます。癖のあるキャラクターを通して、私たちに届けられる坂元さんの生きた言葉に今夏は耳を傾けてみましょう。
毒のあるコメディーに期待。遊川和彦脚本「家庭教師のトラコ」
俳優・橋本愛さんが主演を務める「家庭教師のトラコ」(日本テレビ系、毎週水曜 後10:00)も注目です。同作は2011年に放送され、最終回の平均視聴率40.0%の快挙を達成した「家政婦のミタ」の脚本家・遊川和彦さんと、プロデューサー・大平太さんのコンビが描く“個別指導式ヒューマンドラマ”。合格率100%を誇る謎の家庭教師トラコが、「自分の子供を志望校に合格させたい!」という切実な願いと、親には言えない“深刻な問題”を抱えている3人の母親と3人の子供たちを救っていくことになります。
橋本さん演じるトラコはそれぞれの家族の生徒に合わせ、風貌を変えて登場。ディズニー映画「メリー・ポピンズ」を彷彿とさせるビジュアルが印象的で、見るからに一風変わった家庭教師であることが分かります。
これまでも“悪魔”と呼ばれる鬼教師(「女王の教室」)や、無表情で家事全般を完璧にこなす家政婦(「家政婦のミタ」)、両親に溺愛されて育った女性大生(「過保護のカホコ」)、お節介で他人の家庭事情にクビを突っ込みがちな小説家(「となりのチカラ」)など、変わり者の主人公を描いてきた遊川さん。そんな彼らが周囲の人間をかき乱すコメディーでありながら、少し毒のある作風がおなじみです。
特に2022年1月期にテレビ朝日系で放送された「となりのチカラ」では、DV、「ヤングケアラー」、外国人労働者といった、現代社会のあらゆる問題を取り上げて、松本潤さん演じる主人公が当事者たちの悩みを解決していく“社会派コメディー”に挑みました。
過酷な現実を突きつけられて、うつうつとした気持ちになりながらも、ラストにはちゃんと希望を残してくれるのが“遊川脚本”の魅力。今回の主人公・トラコは私たちにどのような教えを授けてくれるのでしょうか。
福田さん、坂元さん、遊川さんという実力と人気を兼ね備えた脚本家たちが勢ぞろい。名作の予感漂う今年の夏ドラマに期待です!
(ライター 苫とり子)
コメント