「母役」「老け役」で苦戦するのに…朝ドラはなぜ“10代主演”にこだわるのか?
折り返し地点を過ぎた朝ドラ「わろてんか」。ここから終盤に向けて盛り上がるかどうかは「ヒロイン役の葵わかなさん次第」と筆者は見ます。実年齢と役年齢がかけ離れているからです。

年をまたぎ、折り返し地点を超えた朝ドラ「わろてんか」(NHK)。ここから終盤に向けて盛り上がるかどうかは、「ヒロインを演じる葵わかなさんにかかっている」と言われています。
その理由は、葵さんの実年齢と、役年齢がかけ離れていること。現在、葵さんの実年齢は19歳ですが、11月末の放送で母親となり、12月末には「安来節乙女組」という4人娘の母親代わりにもなりました。さらに、夫の藤吉(松坂桃李さん)が倒れたことで、今後は寄席運営のトップとなり、芸人たちの母親代わりにもなっていくようです。
これまでも葵さんは、「ほぼすべての俳優が年上(自分が最年少)」という難しい状況の中でヒロインを演じてきました。そこに「母親としてのたたずまいを求められる」という難しい演技が加わっているのです。しかも今月末には息子役として5歳年上の成田凌さんが出演することが発表され、「親子に見えるのか」「兄と妹にしか見えないのでは」と不安視されています。
隠し切れない10代のみずみずしさ
ここまで葵さんは、苦労しながらも懸命に母親役を演じてきましたし、制作サイドもヘアメイクや衣装でフォローしてきました。しかし、それでも10代の若さやみずみずしさを隠し、視聴者に貫禄や老いを感じさせるのは至難の業。加えて、まもなく戦争という深刻な局面に突入するほか、最終的には50代まで演じるだけに、ますます難しい演技が要求されます。
思えば、昨年の同時期に放送されていた朝ドラ「べっぴんさん」(NHK)でも、同じ現象が起きていました。主演の芳根京子さんが19歳の若さで戦中戦後の母親役に挑み、孫を持つ晩年までを演じましたが、やはり「母親に見えない」「さすがに老け役は厳しい」などの声が上がっていたのです。
ちなみに、今年4月スタートの朝ドラ「半分、青い。」でヒロインを演じる永野芽郁さんも18歳。「1971年生まれ」という設定の現代劇ではありますが、40代あたりまでを演じることが有力視されています。さらに、来春スタート予定の朝ドラ「夏空-なつぞら-」でヒロインを演じる広瀬すずさんも現在19歳。もともと朝ドラは、「月曜から土曜の毎日放送を半年間」という長丁場で、ヒロインの長い生涯を描くため、10代の女優では難しいはずなのに、なぜ起用が続いているのでしょうか。
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