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白石麻衣&西野七瀬、乃木坂46との“つながり”がもたらす現在の姿

後続メンバーにとっての道しるべに

 出身グループから離れて、個人としてのイメージを確立していくことはおのおののキャリアにとって、おそらく肝要なことです。しかし、また一方で、グループでの活動で積み重ねてきた表現や在籍時からの特性がその後の活動において発展、昇華されている様子がうかがえるとき、その足跡は後続メンバーにとっての道しるべにもなるはずです。

 今回は白石さんと西野さん、2人の卒業メンバーに着目しましたが、グループ在籍時に表現の萌芽(ほうが)をつかんだ後、卒業後にユニークな発信を続けるメンバーは他にも少なくありません。多人数グループという場所は、所属者それぞれの長期的な可能性を開拓するための役割も持っています。グループを離れた人々それぞれの活動の振り幅は、現在形としてのグループの存在意義もまた、強めてくれるはずです。

(ライター 香月孝史)

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香月孝史(かつき・たかし)

ライター

1980年生まれ。ポピュラー文化を中心にライティング・批評やインタビューを手がける。著書に「乃木坂46のドラマトゥルギー 演じる身体/フィクション/静かな成熟」「『アイドル』の読み方 混乱する『語り』を問う」(ともに青弓社)、共著に「社会学用語図鑑 人物と用語でたどる社会学の全体像」(プレジデント社)、執筆媒体に「RealSound」など。

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