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新型コロナ「再感染」は珍しくないこと? ワクチン接種後の感染も?

ワクチンには重症化防止の効果

Q.時間の経過によって抗体が低下するとしたら、2回のワクチンが完了して、いったん抗体ができても、定期的にワクチンを打たなければいけないのでしょうか。

森さん「定期的に打つ必要があるかどうかはまだ分かりませんが、3回目接種の必要性は具体的に検討されています。イスラエル保健省は、従来株より感染力の強い『デルタ株』に対して、『時間の経過とともに、ワクチン接種による重症化予防効果が低下している』という調査結果を発表しました。このことから、イスラエルでは、重症化リスクが高い60歳以上の高齢者に対して3回目の接種を開始しました。イギリス、ドイツ、スウェーデンでも3回目の接種が始まる予定です。

現在、日本で接種されているのはファイザー・ビオンテック製とモデルナ製のワクチンですが、8月5日に発表されたモデルナ社の報告では、接種後6カ月の発症予防効果は93.2%、重症化予防効果は98.2%で、高い水準を維持しているものの、時間の経過によって、デルタ株などの変異株に対する抗体の力が衰えていくため、2回目接種を完了して6カ月から12カ月の間に、3回目の接種が必要になる可能性が高いという見解を示しました。

ファイザー、ビオンテック両社も接種後6カ月の発症予防効果、重症化予防効果は高い水準であるものの、接種後2カ月をピークに、時間の経過によってワクチンの効果が低下していくこと、3回目の接種をすることによって、2回接種の人と比べて中和抗体の値がピーク時より多くなる(従来株で5~10倍、デルタ株では若年者は5倍以上、高齢者は11倍以上増えた)と発表しており、モデルナ社と同様に3回目接種が必要になる可能性が高いことに言及しています。

アメリカは3回目接種の必要性について慎重な姿勢を見せてきましたが、デルタ株の流行による感染再拡大に対応するため、『米国疾病対策センター(CDC)が追加接種について、13日に会議を開き討議する』とロイターが報じました。今後、方針が改められる可能性もあります。日本では、新型コロナウイルスワクチン接種推進担当大臣でもある河野太郎規制改革担当大臣から、『来年、3回目の接種を行うことになるのではないか』という発言がありました」

Q.再感染の可能性があることを踏まえて、日常生活などで注意すべきことは。

森さん「感染力が非常に強いデルタ株が主体となって感染が再拡大している現在は、過去に感染した人もワクチンを接種した人も含めて、すべての人が日常生活での基本的な感染対策を徹底することが重要になります。具体的には、性能が高いマスクを正しく着用する▽クーラーをつけていても小まめに換気する▽更衣室、喫煙所、休憩室、飲食場所などのマスクを外す場面では、特に人との距離を開け、会話を控える▽大人数、長時間の集会はできる限り控える――などです。

新たな変異株が次々に発生し、南米を中心に感染が広がっている『ラムダ株』も国内で初確認されたことが8月6日に明らかになりました。新しい変異株に対する再感染やブレークスルー感染のリスクはまだ分からないことが多いので、しばらくは社会全体で感染対策を継続しながら、新型コロナウイルスの収束を待つことになると思います」

(オトナンサー編集部)

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森まどか(もり・まどか)

医療ジャーナリスト、キャスター

幼少の頃より、医院を開業する父や祖父を通して「地域に暮らす人たちのための医療」を身近に感じながら育つ。医療職には進まず、学習院大学法学部政治学科を卒業。2000年より、医療・健康・介護を専門とする放送局のキャスターとして、現場取材、医師、コメディカル、厚生労働省担当官との対談など数多くの医療番組に出演。医療コンテンツの企画・プロデュース、シンポジウムのコーディネーターなど幅広く活動している。自身が症例数の少ない病気で手術、長期入院をした経験から、「患者の視点」を大切に医師と患者の懸け橋となるような医療情報の発信を目指している。日本医学ジャーナリスト協会正会員、ピンクリボンアドバイザー。

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