役者の夢破れ、ひきこもった57歳長男 親亡き後、無収入の恐怖を逃れるために
受給は状況を踏まえた判断で

「そもそもの不安は『ご長男が65歳になる前にご両親が亡くなり、無収入になってしまう』ということだったと思います。それならば、『ご両親が亡くなった時点で繰り上げ受給を検討する』という考えをする方がよいかもしれません。具体的にはこのような感じです」
そう言って、筆者は用紙に次のような事例を書きました。
【事例】
今から6年後に2人目の親御さんが亡くなったものとする。そのとき、長男は63歳
仮に63歳になった月で繰り上げ受給をした場合、減額率は12%
「63歳で繰り上げ受給をすると、60歳繰り上げ受給よりも減額率が低くなるので、その分、年金額は増えます。また、仮にご長男が65歳になっても親御さんがご存命でしたら、そもそも繰り上げ受給はしないことでしょう。ですので、『そのときの状況を踏まえ、繰り上げ受給をするのかどうか?』を判断するのが一番よいのかもしれませんね」
「なるほど、そういう考え方もありますよね。頭の中が少しすっきりしました」
長男は腕組みをしながら天井を見上げ、頭の中を整理しているようでした。
「繰り上げ受給に関しては、何となく方向性が見えてきたようですね」
筆者はそう言い、親子も同意するようにうなずきました。
(社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー 浜田裕也)

コメント