オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

役者の夢破れ、ひきこもった57歳長男 親亡き後、無収入の恐怖を逃れるために

受給は状況を踏まえた判断で

63歳から繰り上げ受給した場合の年金額
63歳から繰り上げ受給した場合の年金額

「そもそもの不安は『ご長男が65歳になる前にご両親が亡くなり、無収入になってしまう』ということだったと思います。それならば、『ご両親が亡くなった時点で繰り上げ受給を検討する』という考えをする方がよいかもしれません。具体的にはこのような感じです」

 そう言って、筆者は用紙に次のような事例を書きました。

【事例】
今から6年後に2人目の親御さんが亡くなったものとする。そのとき、長男は63歳
仮に63歳になった月で繰り上げ受給をした場合、減額率は12%

「63歳で繰り上げ受給をすると、60歳繰り上げ受給よりも減額率が低くなるので、その分、年金額は増えます。また、仮にご長男が65歳になっても親御さんがご存命でしたら、そもそも繰り上げ受給はしないことでしょう。ですので、『そのときの状況を踏まえ、繰り上げ受給をするのかどうか?』を判断するのが一番よいのかもしれませんね」

「なるほど、そういう考え方もありますよね。頭の中が少しすっきりしました」

 長男は腕組みをしながら天井を見上げ、頭の中を整理しているようでした。

「繰り上げ受給に関しては、何となく方向性が見えてきたようですね」

 筆者はそう言い、親子も同意するようにうなずきました。

(社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー 浜田裕也)

1 2

浜田裕也(はまだ・ゆうや)

社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー

2011年7月に発行された内閣府ひきこもり支援者読本「第5章 親が高齢化、死亡した場合のための備え」を共同執筆。親族がひきこもり経験者であったことから、社会貢献の一環としてひきこもり支援にも携わるようになる。ひきこもりの子どもを持つ家族の相談には、ファイナンシャルプランナーとして生活設計を立てるだけでなく、社会保険労務士として、利用できる社会保障制度の検討もするなど、双方の視点からのアドバイスを常に心がけている。ひきこもりの子どもに限らず、障がいのある子ども、ニートやフリーターの子どもを持つ家庭の生活設計の相談を受ける「働けない子どものお金を考える会」メンバーでもある。

コメント