“虹プロ”フィーバーの必然 「NiziU」は日本のアイドル業界を根底から変えるか
才能ある日本人が次々に韓国へ
一方、日本人が手がけるガールズグループは、その大半がビジュアル重視のアイドル。この傾向は1970年代から変わらず、「カワイイからOK」「アイドルの旬は短い」などの理由から、少しでも早くデビューさせることを考え、歌やダンスのレッスンに長い年月を費やすことはめったにありません。「促成栽培」などとやゆされる上に、異性から好かれることをベースに選ばれるため、「国内の特定層だけにウケる」という存在になりがちです。
21世紀に入ると、歌とダンスを重視し、レッスンを重ねた韓国のガールズグループが日本に進出し、同世代女性を中心に支持を集めていきました。今回の虹プロによって、韓国発ガールズグループの魅力が幅広い世代に知れ渡り、K-POPを聴かない人々から「歌とダンスがうまいから、カワイイだけでなくカッコイイ」「日本のアイドルはビジュアルだけでいいのか?」「日本人の子でも、いいレッスンを受ければここまでやれるのか」などの声が上がっていたのです。
すでに、テレビ業界や広告業界からは「NiziUが本格デビューしたら、既存のアイドルグループはファンを奪われるだろう」「世界で活躍し始めたら、日本のアイドル業界は変わらざるを得ない」「このままでは、才能ある日本人がみんな韓国へ行ってしまう」などの声が聞こえてきます。多彩な楽曲とヘアメークなども含めて、NiziUの存在がさまざまな面で、日本のアイドルに影響を与えるのではないでしょうか。
カリスマプロデューサーの温かい言葉
最後にもう一つ、日本のアイドル業界に影響を与えそうなのは、虹プロのプロデューサーを務めるJ.Y.Parkさん。候補生たちの課題を鋭く指摘し、プロフェッショナルの心構えを教える一方、才能を見つけて認めることで自信をつけ、小さな変化を見逃さずに褒めるなど、笑顔で温かい言葉をかけ続けていました。
また、6月26日放送の「スッキリ」では「お互いを思い合うグループであってほしい」とメッセージを送り、さらに「今回のプロジェクトで、候補生と深く分かり合いたくて、日本語を勉強した」ことを明かしています。加藤浩次さんが「人間として響く言葉が多かった」とコメントしていたように、「真実・謙虚・誠実」を心がけるJ.Y.Parkさんの人間性が候補生たちの成長を促し、見る人に学びを与えてきたのは間違いないでしょう。
果たして、日本人のプロデューサーにJ.Y.Parkさんのような人がどれだけいるでしょうか。日本人のプロデューサーは「上から目線で偉そう」「難しい顔ばかりしていて近寄りがたい」などと言われがちですが、今後は親近感を抱かせ、「カワイイ!」とまで言われるJ.Y.Parkさんのような存在が現れるかもしれません。
そんなJ.Y.Parkさんの魅力や人気もあるだけに、やはり、NiziUの前途は明るいものになりそうです。
(コラムニスト、テレビ解説者 木村隆志)
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