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吉本“伝説のマネジャー”大谷由里子さん、講師育成は震災経験した自分の「使命」

故・横山やすしさんのマネジャーで、現在は講師育成に力を入れる大谷由里子さん。その活動の原点には、自身も被災した阪神・淡路大震災があります。

故・横山やすしさん(1992年7月、時事)
故・横山やすしさん(1992年7月、時事)

 今回、ご縁があり、「第10回全国・講師オーディション」(2019年12月1日開催/主催:志縁塾、協力:フジサンケイビジネスアイ、後援:TSUTAYAビジネスカレッジ)の審査員に参加する機会がありました。主催代表の大谷由里子さんは故・横山やすしさんのマネジャーを務め、若手タレントを次々に売り出したマネジャーとしても知られています。

どんなオーディションなの?

 オーディションは2010年から始まりました。当日は、事前の予選会を勝ち上がった12名のみに与えられた最終ステージになります。会場は超満員で500名は超えています。出場者は10分の持ち時間で自らの思いを聴衆に伝えなければいけません。イメージは、かつて放送されていた「スター誕生」に近いです。

 そして、会場にいる一般観覧者、審査員、ネット中継によるウェブ視聴者(5万1678人)の投票によって優勝者が決定されます。優勝者には100万円が進呈され、表彰者にはメディアデビューや出版など多くのチャンスがあります。

 今回の優勝者は、石田一洋さん。現役放送局アナウンサーです。テレビでは野球、競馬、マラソンなどのスポーツ実況を中心に、 ニュース・情報・バラエティーのMC、ナレーションを担当しています。言葉のプロらしく、聴衆の引きつけ方、声の抑揚、ノンバーバル…計算されたそのテクニックは秀逸でした。

 気になった点もあります。出場者の多くが「感動させるコンテンツづくりに腐心している」ことです。ストーリーが完成しすぎていてフィクションにも聞こえてしまうのです。出場者のコンテンツはどれもよく練られていて見応えがありました。

 最近では、講師になりたい人が増えていると聞きます。オーディションに出場するレベルに達するには大変だと思いますが、トークに自信がある人なら、実力を推し量るいい機会になると思います。トークのレベルアップを目指す人にとっても参考になるでしょう。そのためには、繰り返しVTRでチェックすることが必要になります。

 筆者がコンサル会社に勤務している頃、講師はクリエーティブとは考えられていませんでした。実施要綱(マニュアル)がコンテンツの中心で、講師が代わっても同じレベルで提供することに力点が置かれていました。ところが、昨今の講師はカリスマ性はもとより、コンテンツが唯一無二の存在になりつつあります。こうなるとコピーはできません。

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尾藤克之(びとう・かつゆき)

コラムニスト、著述家 尾藤克之

コラムニスト、著述家。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。代表作として『頭がいい人の読書術』(すばる舎)など21冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も絶賛公開中。

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