中村ゆり“男の理想”のヒロイン演じる ハードボイルドは「男のロマン」
映画「影に抱かれて眠れ」でヒロインを演じる中村ゆりさんに“ハードボイルド”のイメージや役者論などを聞きました。

女優の中村ゆりさんがヒロインを演じる映画「影に抱かれて眠れ」。同作は、横浜・野毛で2軒の酒場を営む硲冬樹(加藤雅也さん)は、絵を描き、酒を飲んで自分の店へ行く暮らしをしています。ある日、冬樹の元に、彼を慕う岩井信治(カトウシンスケさん)が傷を負って現れます。信治に手を貸したことから、同じ仲間の辻村(松本利夫)とともに渦中に巻き込まれて…北方謙三さん原作のハードボイルド小説の映画化です。
オトナンサー編集部では、中村さんに単独インタビューを実施。響子の人間性やハードボイルドのイメージ、役者論などを聞きました。
アウトローとは無縁の弱者も描く
Q.原作は読まれましたか。
中村さん(以下敬称略)「読んでみて男性に支持されているのがよく分かりました。才能を持っているけど、あえてアウトローな場所に身を置いて、それで生活もできて女にもモテるという、男のロマンが詰まった作品だなと感じました。アウトローな人を描いていますが、アウトローとは無縁そうな弱者や女の子も描かれているのが興味深かったです」
Q.響子をどんな人間だと捉えましたか。
中村「冬樹にとっての彼女がどう見えているか興味がありました。冬樹が彼女と出会い、彼にとって一番の安らぎになったはずなのに、深く入ってこない心理が興味深いです。一人の女性であり、娘でもあるように多面的に見えるようになればいいなと思いました」
Q.加藤さんの印象を教えてください。
中村「お互い関西出身ということもあり、ああいう風貌ですが、ざっくばらんで気さくな方です。近所のお兄ちゃんという感じでお話ししました。人の繊細なところまで見ている方だと思いました。お年を召されて枯れがすごく色っぽいです」
Q.役づくりはどんなことをされましたか。
中村「好きにやらせてくださいました。衣装も自分で選んでいいと言われたので、協力してくれる店に行って自分で選びました。野毛という街になじまないようにしよう、象徴のような女性であってもいいんだろうなと思いました」
Q.「ハードボイルド」という言葉にどんなイメージがありますか。
中村「女だからかよく分からないですね。男のロマンなんだなっていうのは分かります。こんな人生も生きてみたいのかな、という理解の仕方です」
Q.現場の雰囲気は。
中村「中野英雄さんがプロデューサーなので、役者仲間が助けに来てくださる現場でした。ある有名な役者さんが車両部として駆けつけてくれたりして、ファミリー感があってよかったです。映画ではバチバチやっていますが穏やかな現場でした」
Q.今回、一番の挑戦は。
中村「ハードボイルドの世界における理想の女性像を演じることです。一女性としては、響子の行動などに疑問な部分もありました。ただ、それを取っ払って、この世界観で求められていることは何だろうと考えました。そして、男の人の理想を演じるということに落ち着きました」
Q.例えば、どういうところが疑問だったのでしょうか。
中村「口調が独特で『これ本当に言うんですか』と思いました。基本的に、この作品で求められていることは何だろうと思って脚本を読んでいます。あまり言わない口調も、男の人の描く世界だから楽しんでやりました」
Q.演じる上で心がけていることや役者論を教えてください。
中村「現場ごとに求められることが違うので、頭でっかちにならないようにしています。毎回どんなことを求められて、どんなアプローチをすればいいのか探っています。自分が足りないことも分かっているので、自分のプランや考えていることを持っていった上で、かたくなになることなく最善を探す。役者は勉強し続けなければなりません。毎回毎回、勉強することですね」
Q.リフレッシュにしていることはありますか。
中村「30代後半になって、ちょっとでもおいしいものを食べたいというのがあって、気が置けない友人とおいしいものを食べて、おいしいお酒を飲んで、たまに、はっちゃけて…みたいなのが何よりの楽しみです。時間があれば旅行に行っておいしいものを食べます。『食』に貪欲です(笑)」
映画「影に抱かれて眠れ」は9月6日から全国公開。
(オトナンサー編集部)
なんてダサイ服。美人が台無し。