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“シンデレラ女優”浜辺美波が実写化作品に強い理由

「女優は人生をかけるに値する職業」

 そして、何より特筆すべきは彼女の実力です。現代のトレンドともいうべき、アニメや漫画の実写化に強く、スペシャルドラマ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(2015年、フジテレビ系)や映画「君の膵臓をたべたい」(2017年公開)では高い評価を得ました。

 この2作では、ピュアではかない彼女の魅力が発揮されましたが、前出「賭ケグルイ」では監督をして「賭け狂った時の迫力は相変わらずとんでもない」「自分で作ったセリフをまくし立て(中略)それがちゃんとつじつまが合っている」と言わしめています。

 とかく難しいとされる実写化モノでの幅広い芝居は、よく言われる、彼女の“透明感”から来ているのかもしれません。ヘンな色がついていないから、何にでもハマれるのです。では、その透明感の源泉はといえば、もちろん容姿も関係しています。色白の肌に目力の強さ、研ぎ澄まされたような美少女ぶりは他の追随を許しません。

 しかし、それ以上に重要視したいのが性格です。例えば「早い出発の日でも、何時間か前に起きて完璧な朝ご飯を食べて、そこから仮眠する」「目的の駅より1つ手前の駅で降りて歩く」といったルーティンをひたすら守るそうです。その、ひたむきでストイックなところが、中途半端な色には染まらないという透明感にもつながっているのでしょう。

 将来についても、こんな発言があります。

「私にとって女優は人生をかけるに値する職業だと思っているので、ずっと続けていきたいです(中略)私自身、決断は速いけど一度決めてしまうとなかなか譲らないので、頑固な性格だと思います」(「週刊SPA!」)

 18歳でここまで言い切れる人はそういません。社会人になり、仕事に集中できるようになった今、彼女は朝ドラにも本格的に挑戦したいと言います。そういえば、2017年7月から出演している英語番組「ボキャブライダー」(NHK・Eテレ)は、初代の葵わかなさんが連続テレビ小説「わろてんか」のヒロインに決まったため、引き継いだものです。また、「東宝シンデレラ」の先輩たちも朝ドラでさらなる飛躍を遂げました。

 この夏にも、主演の連ドラとヒロインを務める映画があります。“女優・浜辺美波”はこれから何十年にもわたって見る者を楽しませてくれることでしょう。彼女のシンデレラストーリーから、ますます目が離せません。

(作家・芸能評論家 宝泉薫)

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宝泉薫(ほうせん・かおる)

作家、芸能評論家

1964年岐阜県生まれ。岩手県在住。早大除籍後「よい子の歌謡曲」「週刊明星」「宝島30」「噂の真相」「サイゾー」などに執筆する。近著に「平成の死 追悼は生きる糧」(KKベストセラーズ)、「平成『一発屋』見聞録」(言視舎)、「あのアイドルがなぜヌードに」(文春ムック)など。

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