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代々木アニメーション学院「YouTuber科」新設へ その経緯や狙い、カリキュラムは?

声優やアニメーターなどを養成する代々木アニメーション学院が、「YouTuber科」新設を発表して話題に。その設立の経緯を取材しました。

代々木アニメーション学院・棚原清吾さん
代々木アニメーション学院・棚原清吾さん

「なりたい職業ランキング」上位の常連となるなど、人気の職業として定着したYouTuber。お笑いコンビ・キングコングの梶原雄太さんは、昨年10月から「カジサック」名義でYouTuber活動を開始。モデルで女優の本田翼さんも自身のチャンネルを開設するなど、テレビを中心に活躍するタレントのYouTube進出も散見されます。

 そんな中、声優やアニメーターなどを養成する代々木アニメーション学院が先日、2020年度にYouTuberやVTuberの育成を目指す「YouTuber科」を新設することを発表し、話題になりました。設立の経緯について、同校で「Vチューバーアイドルコース」などの講師を務める棚原清吾さん、同社取締役でマーケティング部の原田淳史さんに聞きました。

世の中のニーズに応える義務

「代々木アニメーション学院は、学校法人ではなく株式会社という形態です。そのメリットとして、学科設立に伴う認可などの手続きが不要で、世の中のニーズにクイックに対応することができます。

YouTuberに未来の子どもたちのニーズがあるのであれば、そうした学科を開設して受け皿を作る社会的義務があると考えました。YouTuber科設立に批判的なご意見もありますが、多種多様な方々へ門戸を広げるために必要だと考えました」(原田さん)

 同校はアニメやゲーム、漫画などに特化しており、一見、YouTuberとの関係が希薄にも思われますが、これまで培ってきた教育スキルを生かせるといいます。

「代アニの主力学科は声優タレント科ですが、YouTuber科は声優活動の一つの出口としても考えています。声優といっても、アニメや映画の吹き替えなどに加えて、最近ではアイドル活動やラジオ、イベント司会などと活動の幅が広がっています。

名称はYouTuber科でも、内容としてはVTuberが主軸です。声優タレント科で培ってきた教育、アニメ業界などと一緒に歩んできた代アニの強みを最大限に生かせる分野だと考えています」(棚原さん)

 同校では既に、週1回から受講できる“週一コース”として、モーションキャプチャーシステムなどを導入し、声優や歌のスキルを学べるVチューバーアイドルコースを運用しています。そのカリキュラムを、全日過程のYouTuber科に応用するそうです。

「面白い動画の作り方だけではなく、世の中の動向や、より多くの人に動画を見てもらう方法などのマーケティングの授業も実施します。また、発声や滑舌、声色を使い分けて演じるキャラクターボイス、トークスキルを培うためのフリートーク、動画配信に必要な撮影や編集、配信の授業も行います。

企業に所属しているYouTuberやVTuberもいるくらいですので、職業として成立させるには、世間に求められる人材でなければいけません。個人で自由な発信ができることを踏まえ、世間の動向を捉える重要性は指導していくつもりです」(棚原さん)

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