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ライアン・ゴズリング、ニール・アームストロング役に苦労「思い出を壊してはいけないと…」

映画「ファースト・マン」主演のライアン・ゴズリングさんにインタビュー。デイミアン・チャゼル監督との仕事などについて聞きました。

ライアン・ゴズリングさん
ライアン・ゴズリングさん

 映画「ラ・ラ・ランド」主演のライアン・ゴズリングさんが主演する映画「ファースト・マン」。同作は、ニール・アームストロング(ゴズリングさん)が月面着陸計画の意義に葛藤しながら、不退転の決意で挑む姿や、月面着陸に取り組む乗組員やNASA職員の奮闘を描くエンターテインメント作品です。

 オトナンサー編集部では、ゴズリングさんにインタビューを実施。デイミアン・チャゼル監督との仕事、実在の人間と架空の人間を演じるときの違いなどについて聞きました。

「ラ・ラ・ランド」で信頼関係できた

Q.チャゼル監督との2度目のお仕事はいかがでしたか。

ゴズリングさん(以下敬称略)「すごく特殊なパターンで、『ファースト・マン』の企画自体は『ラ・ラ・ランド』より前に決まっていました。『ラ・ラ・ランド』の撮影の合間にリサーチをしたり、アイデアを飛ばしたりしていました。2本同時に撮っていて、一つ撮ったら、もう一つはおまけみたいな感じでした」

Q.「ラ・ラ・ランド」を踏まえて一緒に現場に入っていかがでしたか。

ゴズリング「とてもやりやすくて、『ラ・ラ・ランド』を先に撮っておいてよかったなと思いました。あの映画を通して信頼関係ができましたし、制作スタッフもかなり重なっているので、スムーズに転換できました。『ラ・ラ・ランド』を撮っていなかったら、この映画は撮れなかったと思います」

Q.実在の人物を演じるときと、架空の人物を演じるときで違いはありますか。

ゴズリング「特にどちらが演じやすいというのはありません。架空のキャラを演じるときは自分次第、想像次第ですが。実在の人物を演じるときはその人がいるので責任感があり、責任を果たさなければならないプレッシャーは大きいです」

Q.NASAのトレーニングを受けたそうですね。面白かったものは。

ゴズリング「NASAに行けたことが楽しかったです。普通に入れる施設ではありません。ヒューストンとケープカナベラルの宇宙センターで、働いている人たちにどんな仕事をしているのか、どういう思いで仕事に就いたのかなど、掘り下げた話を聞けたことは興味深いです」

Q.ニールは、ミュージカルに造詣があるなど二面性を持っています。二面性はどのように感じましたか。

ゴズリング「興味深い人物で、たくさんの顔を持っていました。ミュージカルの台本も書いていたり、本もよく読んでいたりして、生まれつきのエンジニアだったようです。共にアポロ11号に乗っていたマイク・コリンズと地球に帰還して宣伝活動中、イタリアの博物館や美術館を訪れた際、ツアーガイドが現れなかったようですが、美術にも精通していて、ツアーガイド並みに説明したというエピソードもあるそうです」

Q.今回の撮影で一番の挑戦は。

ゴズリング「ニールと妻ジャネットの息子さんたちが存命で、この映画にも協力してくれたのですが、彼らが自分の演じる“ニール”を見るということが重くのしかかりました。映画では、彼らの父親や母親の姿が描かれるわけですから、思い出を壊してはいけないと感じていましたし父親を忠実に演じるのは難しかったです」

■デミアン・チャゼル監督のコメント

この作品との関わりが始まったのは、映画「セッション」の仕事が終わった直後。ウィク・ゴッドフリープロデューサーたちが、ニールの自伝の映画化権を手に入れていました。僕は監督の打診を受けても躊躇(ちゅうちょ)しました。宇宙に強い思い入れはなかったからです。

原作の本を眺めていて、当時の宇宙船は本当に壊れやすく、月面着陸は無謀な挑戦だったことを知りました。ニールは、その重荷をたった一人で背負い、第一歩を踏み出します。僕は勇気に感銘を受けました。そこで、生涯を描く伝記映画ではなく、彼の目線で、1962年にNASAに入ってから、1969年に月を訪れ生還するまでを描くことにしました。

 映画「ファースト・マン」は2月8日から全国公開。

写真:奥野和彦

(オトナンサー編集部)

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