堤幸彦監督、実写版「リセット・ゲーム」は「『問題作』のような見せ方を実現できた」
「リセット・ゲーム」実写映画でメガホンを取る堤幸彦監督にインタビュー。映像化で気をつけたことや、新田真剣佑さんの魅力などを聞きました。

スマホ漫画サービスの大人気漫画「リセット・ゲーム」の実写映画を堤幸彦監督が撮影します。同作は、主人公・聖一(新田真剣佑さん)を中心に、閉じ込められた密室で数々の試練をくぐる抜ける登場人物の葛藤や本性などを描く人間ドラマです。
オトナンサー編集部では、堤監督にインタビューを実施。映像化で気をつけたことや、新田真剣佑さんの魅力などを聞きました。
何が起こるか分からないスリリングな面白さ
Q.映像化で特に気をつけたことは。
堤監督(以下敬称略)「女子2人の戦闘シーンで、スピード感とリアリティーの部分が難しかったです。幾重にも仕掛けをしながらの撮影を行いました。今回の撮影では、この戦闘シーンと扇風機に吸い込まれまいと必死に走る姿のシーンがかなり大変でした。床が動くという表現を、後からCGで加える部分は苦労しました」
Q.完コピを目指したそうですが、出来栄えは。
堤「視聴者の皆さんも目が肥えているので、『こんなもんだろう』という予想を裏切るような映像にして、原作を知らない人からすると、『いつからこの企画が? 本編はいつ見られるんだ?』と思ってもらえたら成功だなと思っています。そんな、突然発生してきた『問題作』のような見せ方は今回、実現できた部分ではあるので、次に映像化する際は、本気ですごいものじゃないとお客さんに伝わらないのかなと思っています」
Q.オファーが来たとき、映画界への挑戦状と感じたとコメントされています。どのようなところを挑戦状と捉えたのでしょうか。
堤「漫画と映像をつなぐ、ちょうど真ん中にいるようなポジショニングの作品に思えて仕方なかったです。そういう意味で、先生からの挑戦状なのではないかと思ってしまうほどでした。『ハリウッドならできるだろうけど、日本映画でこれが映像化できるのか?』というような」
Q.原作の魅力はどんなところだと感じましたか。
堤「スピード感や、その先に何が起こるか分からないスリリングな面白さがずっと続くところに、この漫画の面白みを感じました。特に、人知の及ばない大きな恐怖の中にいる人間のちっぽけな部分が非常によく描かれているなと感じました」
Q.新田真剣佑さんの印象と、役者としての魅力を教えてください。
堤「アクションが天才的ですね。身体能力に才能の片鱗を感じました。あとは、圧倒的で嫉妬するほどのイケメン(笑)持って生まれた役者感みたいなものを持ち合わせている。そして何よりも、音楽のリズム感が相当いいところがいいなと思います」
Q.原作を超えるべく、いろいろ考えられたことと思います。ここは原作以上!という部分があれば教えてください。
堤「私の場合はあまりアレンジをせず、素直に原作をまねる、という入り口をまず作っています。その後に『作品の売りは何なのか』『ストーリーなのか、CGなのか、または別のものなのか』という武器をどんどん使っていき『すごいもの見ちゃったな』という印象を与えていけたらと思っています」
Q.原作ものを撮るときの難しさ、面白さを教えてください。
堤「原作が持つ面白さを見せられるかは基本中の基本。原作をちゃんと読み込んで、自分なりに再構築していくことが大切です。欲をいえばさらにもう一つ、ご覧になる方に気持ちのお土産のようなものがついていると、プロとしていい仕事なんだと思います。すでにキャラクターがあるので、いかに似せていくのかも非常に大事です」
(オトナンサー編集部)
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