IH用フライパン&鍋 買い替え時はいつ? キッチン用品を開発する料理家に聞いた
IH用のフライパンや鍋の買い替え時がいつなのか、わからない人も多いのではないでしょうか。そこで、貝印とキッチン用品ブランド「o.e.c.(ORIENTED ECOLOGY COOKING)」を共同開発した料理家の脇雅世さんに聞きました。

IH用のキッチンやポータブルコンロを使って料理をしている人も多いと思います。IH用のフライパンや鍋は、ヒーターに内蔵されている磁力発生コイルが鍋底の鋼材に反応して発熱するものなのですが、買い替え時がいつなのか判断しがたいことがあります。そこで、貝印とキッチン用品ブランド「o.e.c.(ORIENTED ECOLOGY COOKING)」を共同開発した料理家の脇雅世さんに聞きました。
「だし巻き卵」調理時にうまく巻けなくなったら買い替え時
Q、ずばり、IH用のフライパン&鍋の買い替え時は、どのような状態になった時なのでしょうか?
脇さん「まず、『IH専用じゃない鍋を使っている場合』について説明したいと思います。今まで出来たように料理がうまく出来ない。例えば、卵料理。甘い卵焼きやだし巻き卵を巻くときに側面の部分がはがれづらくなり、うまく巻けない。そのほか、煮物の味の染みこみが悪いと感じた時。これらは鍋の鋼材がIHに向いていない場合が考えられます。買い替え時期としては鍋が歪んできた、鍋の鋼材に膨らみができた場合なども買い替えのタイミングでしょう。コーティング加工をしてあるものは加工が取れた時などが該当すると思います。
次に、 『IH鍋の場合』です。IH専用の良い鍋を選べば、フッ素樹脂加工の鍋以外は10年以上問題なく使えると思います。実際に私は2009年発売の貝印のo.e.c.シリーズを今でも使っています。鍋の周りも(炎に煽られないので)IHの場合ほとんど汚れません。フッ素加工の鍋は丁寧に使っても寿命があると思います。フッ素樹脂加工がダメになったら買い替え時です。
参考としてになりますが、 IH&ガス用のフッ素樹脂加工鍋は、調理後に鍋が高温になっている時の急な冷却、または空焚きによってフッ素が剥がれやすくなります。金属性のヘラなどでゴシゴシ擦るような使い方もフッ素の寿命を縮めます。もちろん扱いに十分注意していても、経年劣化によりフッ素樹脂加工がダメになることはあります」
Q.IH用とガス火用で違いがあったりするのでしょうか?
脇さん「 ガス用の鍋は特に鋼材にこだわりがあるわけではないのですが、IHで使う鍋は磁力コイルから鍋底の鋼材へ効率良く熱を伝え、鍋中全体を熱しなくてはならないため、IHと相性の良い鋼材を使った鍋を選ばなくてはなりません。これはふっくら焼き上がる、しっかり味しみがよいなどおいしい料理作りにつながるといえます」
Q.長く使用できるように気を付けた方がよいポイントがあったら教えてください。
脇さん「特にIHだけに限りませんが、フッ素加工のフライパンは、調理後まだ熱いうちに冷水をかけたりしない。水をかけてジューっていうほど熱いとフッ素が傷みやすくなり、鍋が変形する可能性につながります。
これはガス火でも同じですが、IHでは特に鍋底が発熱するのでコーティイング加工にしてある鍋やフライパンは油脂などを敷いて過加熱を防ぐとコーティイング加工が長持ちします」
(オトナンサー編集部)
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