川栄李奈、名バイプレーヤーから学んだ役者の“生き方” あいさつ、礼儀、人間性…
「恋のしずく」で映画初主演を果たした女優の川栄李奈さんにインタビュー。主役の意気込みや、故・大杉漣さんとの共演などについて聞きました。

女優・川栄李奈さんの初主演映画「恋のしずく」。東京の農大でワインソムリエを目指す日本酒嫌いの橘詩織(川栄さん)ですが、研修先が日本酒の酒蔵に決まってしまいます。しかし、蔵元の輝義(大杉漣さん)や輝義と折り合いの悪い息子の莞爾(小野塚勇人さん)、杜氏の坪島(小市慢太郎さん)、詩織に親身になってくれる美咲(宮地真緒さん)らと出会い…というストーリーの「酒造りと恋」の映画です。
オトナンサー編集部では、川栄さんにインタビューを実施。主役の意気込みや、酒造り体験の感想、故・大杉漣さんとの共演について聞きました。
香盤表が朝から夜まで…これが主役か
Q.映画初主演はいかがでしたか。
川栄さん(以下敬称略)「シンプルにセリフが多いなと。あと普段出ずっぱりという役がなかったので、香盤表を見ても朝から夜まで入っていて、これが主役かと思いました」
Q.プレッシャーは感じましたか。
川栄「プレッシャーはありませんでした。日本酒の映画と聞いた時は『大丈夫かな?』と思ったのですが、日本酒に詳しくない役だったので、そこは自分と共通していてやりやすかったです」
Q.詩織の印象を教えてください。
川栄「すごく普通の女の子で、キャラが立っているわけでもなく。周りのキャストの方に巻き込んでもらって、詩織を作っていきました。役作りはあまりしなくて、台本を見て感じた芝居をやって、監督が違うと言えば変える、というスタイルです。
今回は、監督が『自由にやってください』とおっしゃってくださったので、自分の思った通りというか、台本を読んで感じたことを演じました」
Q.詩織と似ているところはありますか。
川栄「日本酒が苦手なのに広島の酒蔵で研修することになり、『え~』みたいなところ。私も初めは日本酒が得意ではなかったので(笑)あとは、詩織が日本酒を学ぶところも、私自身の勉強になりました」
Q.擬似的に酒造りを体験していかがでしたか。
川栄「お酒一つ造るにしても、大変じゃないですか。杜氏の方がシーズンになると早起きして、寒い中、冷たい水をやって、暑い部屋でお米を並べて…と知らずに、普通にお酒を飲んでいました。一滴にどれだけ愛情が入っているのか初めて知りました」
Q.日本酒の見方が変わりましたか。
川栄「私はもともと日本酒が得意じゃなくて、広島に行っていろいろな日本酒を飲ませていただいて、味が全く違うんだと。ほとんど飲んだことがなかったので、飲みやすいものもあるし、蔵によって味が全然違うということを知りました」
Q.お酒は飲まれるのですか。
川栄「あまり飲まないです。飲めないわけではないですが、みんなでご飯に行った時には飲んでいました」
Q.今回、一番の挑戦はどんなことでしたか。
川栄「自分的に広島で1カ月撮影するのは大変だなと思いました(笑)2週間くらい北海道に行ったことはありましたが、1カ月はほとんどないです」
Q.大杉漣さんとの共演はいかがでしたか。
川栄「フラットな方で、大先輩なので壁があるかと思いましたが、親切にしてくださいました。撮影の合間に一緒に写真を撮ってもらいました。
クランクアップして帰る日に、『川栄さんとはまた共演すると思う』とおっしゃっていただいて、すごくうれしかったです。この作品は見られていないのが残念です。素晴らしい役者さんと共演できてありがたいことでした」
Q.一緒にお芝居されたシーンで印象深いのはどのシーンですか。
川栄「テストから、緊張感が走る熱量でやってくださいました。また、監督さんに意見もおっしゃっていて、私は監督さんの言うことをのみ込むタイプなので、作品を作る上では意見を言うことも大事で、素晴らしい方だと思いました」
Q.詩織は、日本酒との出会いで自分の道を見つける役です。今回、川栄さんは新しい道が見えましたか。
川栄「光石研さんが好きで、以前光石さんと共演できたことが本当にうれしかったです。バイプレイヤーの人が、なんでこんなにテレビに出ているんだろうと思った時に、人へのあいさつや礼儀、芝居のうまさもそうですが、人間としてできている人が使われるんだと実感したので、そういう風になりたいなと思いました」
Q.20代の仕事の目標を教えてください。
川栄「20代は、いろいろなことを吸収できたらいいなと。いろいろ人から学んだり、いろいろな人と共演して吸収したいです」
Q.今後チャレンジしたいことは。
川栄「今はお芝居が一番興味あるので、お芝居を続けられたらいいなと思います」
映画「恋のしずく」は10月20日から全国公開。
(エンタメチーム)
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