死期が近い「猫」 どんな行動を示す? 飼い主が注意すべき点は? 動物看護師に聞く
死期が近い猫はどのような行動を示すことが多いのでしょうか。また、高齢になった猫に対して、飼い主はどのような点に気を付けるべきなのでしょうか。動物看護師に聞きました。
猫を飼育している人は、猫の老化に伴い、死を覚悟しなければならないときが訪れます。死期が近い猫はどのような行動を示すことが多いのでしょうか。また、高齢になった猫に対して、飼い主はどのような点に気を付けるべきなのでしょうか。動物看護師のfujimaruさんに教えていただきました。
猫は高齢期に腎臓の病気が現れやすい
Q.死期が近い猫は、どのような行動を示すことが多いのでしょうか。
fujimaruさん「老衰や病気などさまざまな原因があると思いますが、亡くなる間際の猫によく見られる行動は次の5つです」
(1)食欲の減退
食が細くなる、食べ物の飲み込みが難しくなる
(2)行動範囲の減少
足腰が弱くなっている
(3)物陰に隠れる
部屋の隅などにうずくまっている
(4)病気の場合
けいれんや発作が多くなる
(5)排せつがうまくできない
ただし、実際にどのような行動をするかどうかは、個体差があります。眠るように静かに亡くなる猫もいれば、息を引き取る前日にはしっかりとごはんを食べていたというケースもよく聞かれます。もしかしたら、猫は最後の力を振り絞って元気な姿を見せようとしてくれていたのかもしれませんね。
Q.ペットの猫が高齢になったとき、飼い主が気を付けたいことはありますか。
fujimaruさん「まずは、ライフステージに合わせてフードを変えてあげる、というのが有効なケア方法の一つです。メーカーにもよりますが、猫用のフードは『アダルト用』『シニア用』『ハイシニア用』など、各年齢ごとに合わせた処方のフードが販売されています。推奨される年齢ごとに、定期的に変えてあげると、猫にとっても負担が少なく食事ができると思います。
特に猫は遺伝的に腎臓の病気が高齢期に現れることが多く、3匹に1匹程度の割合で腎不全になるといわれています。ですから、腎不全の予防ができるフードのほか、場合によっては介護食に切り替えることも有効です。食が細くなってきたら、子猫用フードでカロリーを摂取させても良いでしょう。水分補給が小まめにできる環境づくりも重要ですね。
食事以外の観点から言うと、自分で毛づくろいができなくなると毛玉が発生しやすいため、小まめにブラッシングをする、もしくは短くカットしてあげるのも有効です。このほか、温度管理については、より気を使い、快適な温度で生活できるようにしてあげるのが理想です」
Q.いよいよ愛猫とのお別れというときに準備しておくことについて、教えてください。
fujimaruさん「まずは、かかりつけの病院とこれからの治療方針を決めましょう。できる限り延命治療を進めていくのか、もしくは猫の体力などを見て自然の流れに任せるのか。治療方針が決まると、看取る場所も自宅なのか、それとも病院なのかで変わってきますね。看取るときには家族で、といったことも事前に決めておくと、あとで後悔することがないと思います。
また、亡くなった後の火葬・供養などの方法も決めておくと良いでしょう。特に夏場に亡くなってしまった場合、すぐに火葬できない場合はペットの体の状態がすぐに悪くなってしまうことが想定されるので、保冷剤などを用意して保管できる環境があるとより安心です」
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大事に育てて一緒に過ごしてきた愛猫は、いつまでも一緒にいてほしいものですが、どうしても「死」というものは避けられません。ただ、亡くなった後に「もっとこうしておけばよかった」と後悔することだけは避けたいですよね。もしものときに備えて、しっかりと準備を整えながら一緒に過ごす時間を大事にしていきましょう。
(オトナンサー編集部)
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