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「ジュラシック・ワールド/炎の王国」コリン・トレボロウ氏、地球に住む者の責任伝えたい

映画「ジュラシック・ワールド/炎の王国」制作総指揮のコリン・トレボロウさんにインタビュー。メッセージ性とエンターテインメントのバランスなどについて聞きました。

コリン・トレボロウさん(写真・奥野和彦)
コリン・トレボロウさん(写真・奥野和彦)

 映画「ジュラシック・ワールド」で監督を務め、続編「ジュラシック・ワールド/炎の王国」で制作総指揮と脚本を担当したコリン・トレボロウさん。

 同作は、恐竜が住むイスラ・ヌブラル島に火山の噴火の兆候が表れ、恐竜行動学の専門家であるオーウェン(クリス・プラットさん)が、パークの元運営責任者で現在は恐竜保護団体代表のクレア(ブライス・ダラス・ハワードさん)と共に、恐竜を救うべく島に向かうも噴火が……というストーリーです。

 オトナンサー編集部では、トレボロウさんにインタビューを実施。恐竜を救うストーリーとした理由や、メッセージ性とエンターテインメントのバランス、次回作などについて聞きました。

「慈悲」「感情移入」「共感」テーマに

Q.前作まで、人間が恐竜から逃げる話でしたが、今作は逆に人間が恐竜を助ける話です。その理由を教えてください。

トレボロウさん(以下敬称略)「今作は慈悲や感情移入、共感がテーマです。対面したら人間を食べてしまう動物もいますが、だからといって、動物を殺していいわけではなく、相手に敬意を持って保護しなければいけません。恐竜もかつては実在していた同じ生き物です。物語を通して我々が直面している問題をリアルに伝えたかったのです」

Q.オーウェンとクレアの関係は、前作のラストから予想される関係とは違っていました。二人の関係をどのように描こうと思われたのですか。

トレボロウ「危険な状況に放り込まれると近しい関係になりますが、普通の状態に戻るとうまくいかない関係もあると思います。今作では、彼らが共に感じている、恐竜に対する責任感から関係が近くなったのだと思います」

Q.メッセージ性とエンターテインメントのバランスは考えましたか。

トレボロウ「その辺りは注意深くバランスを考えました。映画館に足を運んで、楽しんでもらうために、恐怖やロマンスを提供しなければなりません。一方、地球上に住む者としての責任もしっかり伝えたいと思いました。

恐竜という存在が教えてくれるのは、人間という存在は宇宙規模ではちっぽけな存在で、ほんの短い時間しか生きていなくて、いつ消えてもおかしくないということです」

Q.前作は島が舞台でしたが、今作は閉ざされた屋敷がメインです。そのメリットはどんなところでしょうか。

トレボロウ「『ジュラシックパーク』も、後半3分の1は室内がメインなので、かけ離れた物語にしたわけではありません。非常に独創性があり、屋敷特有の環境で物語が進行することができ、ホラー感も引き出すことができました」

Q.新しい登場人物であるフランクリンとジアはどんな経緯で生まれたのですか。

トレボロウ「やはり、ティーンエイジ層を取り込みたいということがあり、子どもではなく学生に設定しました。彼らが生まれた時にはジュラシックパークが存在し、恐竜がいて当たり前で、いなかった時代を知らない世代です」

Q.次回作はどんな展開になるのでしょうか。

トイボロウ「3年後、劇場に足を運んでください(笑)ドクター・ウーもそうですが、前作から遺伝子や胚、胎盤をいくつかの企業が持っています。ウーに限らず、クローンを作れる企業があることになります」

Q.前作から、心を通わせる恐竜ヴェロキラプトルのブルーが出てきて新しいと思いました。なぜ心を通わせる恐竜を映そうと思ったのでしょうか。

トレボロウ「自分を食べてしまうかもしれない恐竜から逃げるだけでなく、人間と恐竜、ひいては動物との関係を描きたかったのです。前作でオーウェンとブルーの関係を描いた結果、感動した人たちが多く、特に子どもたちが感動したとの評価を頂きました」

Q.恐竜を飼うことができるなら何を飼いますか。

トレボロウ「マイクロセラタスという、『ジュラシック・ワールド』には出ていない恐竜です。トリケラトプスみたいな頭を持つ小型の恐竜です。ひょっとしたら次回作に出てくるかもしれません(笑)」

 映画「ジュラシック・ワールド/炎の王国」は7月13日から全国公開。

(エンタメチーム)

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