住まい、お金… 「親亡き後」にどう備える? 自閉症・8歳息子の母が取り組む“居場所”づくり
「親あるうち」にやっておきたいこと
障害がある子どもの親亡き後のためにやっておいた方がよいことは、何も住まい(施設)やお金に関することだけではありません。例えば、子どもが幼いうちから次のような行動に取り組むと、安心だと思います。
・子どもに親や親族以外の大人(支援者)との関わりを多く持たせる。
・定期的にショートステイなどを利用し、家族と離れてお泊りする経験を子どもにさせる。
・親も積極的に社会参加し、地域に多く接点を持つ。
・子どもに関する情報をまとめたノートやファイルを作っておく。
息子は「移動支援」という福祉サービスを使ってヘルパーさんとお出掛けしていますし、小学生になってからはショートステイも利用するようになりました。幼いうちから少しずつ、ヘルパーさんと2人で外出する時間、ショートステイで親と離れてお泊りする経験をつくっていくことで、どんな大人にも助けを求められる力がついていくのではないかと思います。
子どものことだけではなく、親が地域社会と接点を持つことも大切です。障害がある子どもがいると、どうしても人目をはばかり、親子で家にひきこもってしまいがちという話も聞きますが、親亡き後を考えると非常に危険です。何かあっても人に気付いてもらえる機会を得られるように、社会との接点を多くつくっておくに越したことはありません。
そして、最後に書いた「子どもに関する情報をまとめたノートやファイルを作っておく」ことは、最も大切なことだと思います。
「親亡き後」というと、「自分が年老いてから」というイメージを持ちがちですが、実際はいつそのときが来るのかなんて誰にも分かりません。
「親亡き後」ではなく、親が病気やけがで療養が必要になったときなどにも、子どもに関する情報の共有は必要です。
だからこそ、いつでも誰かに子どものことを引き継げるようなノートやファイルがあると安心ではないでしょうか。
息子のように重い障害がある人は、自分で自分の情報を伝えられません。本人の代わりに情報を伝えるノートやファイルの存在は、きっとその人を助けてくれるはずです。
親が子どもの可能性を信じ、将来を期待することは大切です。しかし、信じるだけではままならない現実も出てくるのではないでしょうか。だからこそ、冷静に現実を見定め、準備をしていくことも同様に大切だと思います。
「親亡き後のために親あるうちに」
いつか自分が寿命を全うして先にいなくなっても息子が困らないように、できるだけのことをしていきたいと考えています。
(オトナンサー編集部)
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