“僕”“私”と言うのが「恥ずかしい」子も? わが子の「一人称」の変化、親はどう関わればいい? 子育てのプロに聞く
「僕(私)と言うのが恥ずかしい」と言ったら?
Q.一人称について、子どもに「僕(私)と言うのが恥ずかしい」「名前で言う方がいい」と言われた経験のある親も少なくないようです。このように言われた場合、親はどうすればよいでしょうか。
佐藤さん「性格的に、物事の変化を好まない子はいるものです。その子にとっては、それまでの呼び名に愛着があるからです。中には、呼称を変えることによって違和感を覚える子もいるでしょう。親に対する呼称を『パパ/ママ』から『お父さん/お母さん』に変えることを子どもに提案すると、『パパとママじゃなくなっちゃうみたいで嫌だ』と抵抗感を示す子がいますが、それと似ていて、私たちは『呼称』というもの自体に愛着を感じるものです。それを手放す不安感、新たな呼称を口にする恥ずかしさを敏感に感じる子もいます。
子どもが『恥ずかしい』と言ってくれていることは、親に心を開いている証しでもあるので、その思いを大切にしてあげるのが一番です。その上で、その子の背中をゆっくりと押してあげるようないざないが望ましいといえます。
もし、パパ・ママ自身が似たような体験をしてきたのなら、その体験談をするのもお勧めです。特に、失敗談や苦労話は武勇伝以上にその子の励みになることが多いので、子どもの恥ずかしい気持ちに寄り添えるような体験があれば、それを話してあげると『ママもそうだったんだ』というところから勇気をもらえることもあります」
Q.子どもが一人称を使うようになり、やがて、その言い方が変化していく過程を親はどのような意識・スタンスで見守っていくのがよいと思われますか。
佐藤さん「『○○くん』『○○ちゃん』の名前呼びから、『僕』『私』に変わり、いずれは男性であっても、社会に出ると『私』を使うようにもなるでしょう。さらに、親になると自らを『パパ/ママ』と呼ぶようになるなど、自分に対する呼称は生涯を通して変わっていくものです。子ども時代の第一歩は、基本的には子ども主導で、親は見守っていく形が望ましいタイプの成長といえます。
ただ、中には内心、『やりたい』と思っていても、きっかけがなくて足踏みしている子もいるので、そうした場合は親がちょっとしたきっかけをつくり、あとは子どもの流れに任せるというのが望ましい見守り方ではないでしょうか」
(オトナンサー編集部)

男の子は、やんちゃでありながら一応の敬意を払われる「ぼく」に移行することが許されています。しかし女の子はいきなり大人として「わたし」を使わなければなりません。同時に男の子よりも大人らしく振る舞うことを求められます。二人称の敬称でも男の子は「くん」があるのに、女の子は「さん」になります。これは「女の子は男の子のやんちゃを我慢しろ、女の子は自由に振る舞ってはいけない」という男女差別です。特に女の子が「わたし」を使わずに名前呼びするのは、この差別というか、理不尽な差への無意識の抵抗かと思います。