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カビ臭いクローゼットは要注意! 大事な洋服を守る「衣類の湿気対策」、専門家に聞いた

湿度の高い時季は、クローゼットやたんすなど、衣類を収納しているスペースの湿気が気になるもの。洋服をカビから守るための「衣類の湿気対策」について、専門家に聞きました。

クローゼットが臭い…もしかしてカビ?
クローゼットが臭い…もしかしてカビ?

 梅雨期から夏場にかけては、ジメジメと湿度の高い時季が続きます。家の中の湿気が気になるものですが、特にクローゼットなど、衣類を収納・保管している場所は、気付けば「カビ臭い」状態になることも少なくないため、「着ようと思った服にカビが生えていてショックだった」「クローゼットを開けるたびにカビ臭くて不快…」「どんな対策をすればいい?」といった声も聞かれます。

 大事な洋服にカビを生えさせないために必要な「湿気対策」について、ハウスクリーニングアドバイザーの有賀照枝さんに聞きました。

クローゼット内で「カビの3条件」がそろい得る

Q.クローゼットやたんす、衣装ケースなど、衣類を収納している場所に湿気がこもりやすいのはなぜですか。

有賀さん「一番の原因として、クローゼットなどの中に、空気の流れや動きがないことが挙げられます。クローゼットやたんす、衣装ケースなどは扉やふたがあるので、普段から閉めっぱなしにしていると空気が流れにくく、湿気がこもりやすくなります。また、結露ができやすい家屋の北側にクローゼットやたんすが配置されているケース、壁を挟んですぐに水回りの設備が配置されているケースは、部屋の構造上の問題で湿気がたまりやすくなりがちです。

その他、クローゼットやたんすに衣類、バッグなどの小物をぎゅうぎゅうに詰め込んでいる場合も、空気が動きにくく、湿気がこもりやすくなります。衣類などの布製品は湿気を帯びやすいので、そのことも原因になり得ます」

Q.クローゼットなどに湿気がこもりやすい状態を放置していると、どうなることが考えられますか。

有賀さん「湿気がこもりやすい状態を放置していると、クローゼットなどに結露ができ、カビが生えやすくなります。特に、湿気は下の方にたまりやすいので、『クローゼットの下の壁面や隅にカビが生えてしまった』という経験がある人もいるのではないでしょうか。

『温度が20~30度』『水分』『栄養源』の3条件がそろうと、カビは目に見えて増殖してしまいます。衣類は特に、カビの栄養源となる洗剤カスやほこり、洗濯で落とし切れなかった皮脂などがついていることもあります。そのため、気温と湿度が上がりやすい梅雨から夏の時期、湿気がこもりやすいクローゼットなどの空間では、カビが生えやすい3条件がそろい得ることが十分考えられます」

Q.クローゼットなどに湿気がこもらないようにするためには、どうすればよいですか。

有賀さん「一番は、普段から湿気の状態に気を配ることです。小まめに窓と、クローゼットなどの扉を開け放って空気を動かし、換気しましょう。窓がなく、空気の流れがつくりにくい場合は、扇風機やサーキュレーターを活用してもよいでしょう。また、『ペットがクローゼットに入ってしまう』『扉を開けっ放しにすると、ほこりが入ってくるのが気になる』といった場合は、除湿剤を使うのもお勧めです。

その他、洗濯後に乾き切っていない衣類をしまわない▽乾燥機で乾かした衣類は、まだ熱がこもっているうちにしまわない▽何度か着用してから洗濯やクリーニングに出す衣類は、ブラシで汚れを落とし、よく乾燥させてからクローゼットに戻す―など、収納スペースにできるだけ水分を持ち込まないようにする工夫も大切です。

衣替えのときはぜひ、クローゼットや引き出しからいったん全部衣類を取り出し、隅々まで掃除をしましょう。換気ができる上、カビの発生条件である栄養源も減らすことができます。シーズン中に一度でも袖を通した衣類は、必ず洗濯やクリーニングに出して、しっかり汚れを落とすことがポイントです。先述の通り、湿気は下方にこもりやすいので、湿気に弱いウールやカシミアといった天然素材の衣類は上の方に収納しましょう。密閉できるビニール袋に入れ、除湿剤や防虫剤を一緒に入れておくと、よい状態で衣類を保管できます」

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有賀照枝(ありが・てるえ)

整理収納コンサルタント、ハウスクリーニング技能士

ハート・コード代表取締役。一般社団法人ライフ・アレンジ協会特別講師。2007年から家事代行・整理収納サービス開始。現場をよく知る整理収納のプロとして、セミナー講師、ジュピターショップチャンネルなどメディア多数出演中。「部屋磨きは自分磨き・職場磨きはスタッフ磨きに通じる」がモットー。著書「片付けが苦手な子が驚くほど変わる本」(青春出版社)。ハート・コード(https://www.heartscode.com/)。

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